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シュトーレンだけじゃない!クリスマスの伝統的なパンいろいろ
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シュトーレンだけじゃない!クリスマスの伝統的なパンいろいろ

辻 美穂
辻 美穂

クリスマスケーキやチキンに負けじと、日本のクリスマスにもシュトーレンが定着しつつある今日このごろ。でもクリスマスのパンといえば、シュトーレンだけじゃありません。
今回は、ヨーロッパ諸国で伝統的なクリスマスのパンや菓子をご紹介。シュトーレンに続く、ネクストブレイク候補を要チェックです。

「ベラベッカ」(フランス)

キルシュに漬けた洋梨やドライフルーツ、ナッツ類をパン生地でつないだもの。シュトーレンのように、クリスマス時期に少しずつスライスして味わう、スパイスの効いた、フランスのアルザス地方のお菓子です。「ベラベッカ」は、“洋なしのパン”という意味だそうです。

クリスマス伝統パン

DEAN&DELUCA「ベラベッカ」(1,998円)

DEAN&DELUCAの「ベラベッカ」は、クローブやシナモンなど5種類のスパイスを配合した生地に、キルシュ漬けした洋梨など5種のドライフルーツがたっぷり。芳醇で贅沢な、ひと切れでも満足感のある味わいです。

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「パンデピス」(フランス、ベルギーなど)

パンデピスとは、「スパイスのパン」という意味。その名の通り、シナモンやナツメグ、アニスなど、たっぷり使われたスパイスの香りが印象的。
フランス北部やベルギーで聖二コラウスの日(12月6日)に食べられている、クリスマス菓子です。

クリスマス伝統パン

DEAN&DELUCA(ディーンアンドデルーカ)「パンデピス」(1,037円)

フランス北部に伝わる伝統的なレシピを元にした、DEAN&DELUCAの「パンデピス」。パンデピスには、パウンドケーキのようなタイプと、クッキーのようなタイプがあるそうですが、DEAN&DELUCAのものは前者です。
ライ麦粉入りの粉にたっぷり混ぜた、アカシアのはちみつやシナモン、ジンジャーなどの香りが広がります。

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「パネトーネ」(イタリア)

ドーム型をしたクリスマスの発酵菓子。ドライフルーツがたっぷり練り込まれており、パネトーネ種を使用し長時間発酵させて作られています。作るのに手間がかかるパンですが、雑菌が繁殖しにくく、長期保存できるのが特徴です。
名前の由来は、トニーという職人が作ったパン(パーネ・デ・トニー)だからなど諸説ありますが、ミラノで発祥し、600年以上の歴史があるのだとか。

クリスマス伝統パン

DONQ(ドンク)「パネトーネ」(小 1,188円~)

DONQの「パネトーネ」は、ふんわり食感と豊かな風味が特徴。厳選したドライフルーツもたっぷり、リエビト・マードレという酵母種を使い、伝統的な中種法で作られています。

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「パンドーロ」(イタリア)

天然酵母で発酵させて作る星形の発酵菓子。パンドーロの由来は、卵をたっぷり使った生地の色から。“黄金のパン”という意味です。パネトーネとともに、イタリアではクリスマスの定番菓子となっています。

クリスマスパン

DONQ「パンドーロ」(1,188円)

卵黄とフレッシュバターを使ったDONQの「パンドーロ」は、スーッと溶けていくような、やわらかな口あたりが特徴。粉糖をかけて味わうのもおすすめです。

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「グリティベンツ(ヴェックマン・マナラ)」(スイスなど)

「グリティベンツ」は人の形をした、聖ニコラウスの日(12月6日)に食べられるスイスの伝統的なクリスマスパン。がに股なのが特徴で、足から食べると、幸せになれると伝えられています。ヨーロッパ諸国には、ほかにもドイツの「ヴェックマン」やフランスの「マナラ」など人型のパンがあります。どちらもサンタクロースのモデルである、聖ニコラウスの伝説から誕生したそうです。

「ルッセカット」(スウェーデン)

クリスマスシーズンになると、スウェーデンの街のあちこちで販売されたり、家庭でも作られるという「ルッセカット」。バターとサフランを練り込んだ甘いパンで、ネコのしっぽのようなくるんとした形に、レーズンをあしらったものがスタンダードなスタイルです。12月13日に行われる聖ルチア祭にも欠かせない菓子パンなのだとか。

クリスマスパン

「コキーユ・デュ・ノール」(フランス、ベルギーなど)

聖二コラウスの日(12月6日)からクリスマスの間に食べられるブリオッシュ生地のパン。生まれたばかりのキリストを産着で包んだような形から、“イエスのパン”ともいわれています。聖二コラウスが貧しい娘をひそかに救ったという、サンタクロースの起源となるような伝説から生まれたそう。

「ヴァーノチュカ」(チェコ)

チェコの伝統的なクリスマス料理として登場するヴァーノチュカ。レーズンがたっぷり練り込まれた生地を9本の棒に分け、編み込むようにして作られています。クリスマス当日の朝や、翌朝に食べられるのがチェコでは一般的なのだそう。大きなヴァーノチュカを、家族で取り分けてわいわい食べるのもまた楽しそうですね。

クリスマスの伝統パン、みなさんはいくつご存じでしたか?日本で定番になっているものもあれば、なかなか販売されていないものもありますが、街で見かけたらぜひ購入して、クリスマスシーズンならではのパンを味わってみてください。

<参考文献>
パンシェルジュ検定3級公式テキスト(実業之日本社)
スイーツ用語辞典(誠文堂新光社)
お菓子の基本大図鑑(講談社)
レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン(世界文化社)

<参考サイト>
エスビー食品株式会社公式サイト
Foodie
クックビズ総研
カメリヤマガジン
じゃぱん
Travel Note

WRITER

辻 美穂

辻 美穂

とにかく食べること、飲むことが好きで、異業種から食の業界へ転職をとフードコーディネーターの学校へ。複数の調理現場でバイトしたあと、菓子とパンの会社で商品企画の仕事に就く。自社パンのおいしい食べ方をあれこれ試しているうちにパンの魅力にハマり、その後ライター活動を始めてからも、そして活動拠点を福岡に移した2013年以降も、仕事のついでに気になるパン屋へ立ち寄り、新たなパンとの出合いを求め続けている。最近気になるのは、自分の体重と屋根で勝手に居候するスズメたちのこと。

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