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おもてなしの心から誕生。京都・下鴨茶寮「料亭のあんぱん」をお取り寄せ
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おもてなしの心から誕生。京都・下鴨茶寮「料亭のあんぱん」をお取り寄せ

田辺 容子
田辺 容子

近年、食パンをはじめとした高級路線のパンブームが起こる中、日本料理の技術と伝統を持つ料亭からも、パンが登場しています。京都の老舗料亭「下鴨茶寮」で生まれたのは「料亭のあんぱん」。食パン型の大きなあんぱんは、お取り寄せサイトで大賞を受賞するなど、人気を呼んでいます。

そこで、「料亭のあんぱん」の魅力について、ぱんてなライターが実食レポート。そして「料亭のあんぱん」を販売する株式会社下鴨茶寮・ブランドマネージャーの奥田知位子さんに、商品誕生のきっかけや、おいしさの秘密を伺いました。

「下鴨茶寮」とは

安政3年(1856年)創業、160年を越える歴史を持つ老舗料亭です。世界遺産「下鴨神社」のほど近く、京都市左京区下鴨宮河町に本店を構えています。
その土地でとれたものを、その土地に伝わる方法で料理する「土産土法(どさんどほう)」を守り続け、文人要人をはじめとする多くの人々に愛されてきました。京都だけが持つ独自の文化や美しさを、お料理やおもてなしの心を通じて、世界に発信していくことを信条としています。

下鴨茶寮,本店,外観

開けてほっこり。鴨柄の風呂敷に包まれて到着

「料亭のあんぱん」は、「下鴨茶寮オンラインショップ」で、お届け日の8日前までの締切、毎週土曜日のお届け限定で販売されています。常温便で発送され、消費期限は製造日より4日間です。(※消費期限の関係上、時間指定や配送不可の地域有。詳しくは、「料亭のあんぱん」商品ページをご覧ください。)

到着した「料亭のあんぱん」の外箱を開封すると、現れたのはピンクと白色の風呂敷包み。取り出してみると、風呂敷にあしらわれているのはかわいらしい“鴨”!下“鴨”茶寮だけに描かれた鴨に思わずほっこり。明るいカラーと羽ばたく鴨の絵柄は、お祝い事にも喜ばれそうです。遊び心あるデザインに心を掴まれながら、風呂敷をほどいていきます。

縦205×横112×高さ130mmの高級感あるスリーブ箱に、ぴったりと収められた「料亭のあんぱん」。市販の食パンと比較するとやや小ぶりな印象ですが、持つとずっしりと重みを感じます。

口溶け抜群!マーブル模様が美しい生地

続いて、透明の内袋を開封。酒種を使用した生地からは、麹のほんのり甘い香りが漂います。こんがりと焼き色のついたクラストには、ところどころ小豆の姿が。切り分ける前から、小豆がたっぷり使われているであろうことが推測できます。

うず巻き状に巻き込まれた生地をカットすると、美しいマーブル模様が出現!つぶあんが生地全体にバランスよく練り込まれています。2cm程にスライスし、まずはそのままいただきました。

特筆すべきは、その口溶けのよさ。きめ細やかな生地とつぶあんが、口の中で溶けていきます。生地はほわほわと、懐かしいような優しい甘さ。そして丹波大納言を使用したという特製つぶあんには上品な甘さがあります。それぞれ異なる甘さを味わうことができ、何もつけなくても十分においしくいただくことができます。

「料亭のあんぱん」の開発秘話を伺いました

「料亭のあんぱん」は、どのようにして生まれたのでしょう?株式会社下鴨茶寮・ブランドマネージャーの奥田知位子さんにお話を伺いました。

──「料亭のあんぱん」が誕生したきっかけを教えてください。
下鴨茶寮本店の常連のお客様のお土産として開発しました。「ご利用いただいたお客様に、翌日の朝、ご家族とお召し上がりいただけるものを」との思いから特別に企画開発したものです。当初は販売していなかったのですが、お客様からご希望があり商品化に至りました。

──開発にあたり、苦労した点があれば教えてください。
あんを均等に入れることに一番苦労しました。なかなか均等にならず、見た目や食感がうまくいかないことが続き、開発まで約3ヶ月かかりました。
お土産としてお渡しできるよう、箱や風呂敷などの体裁にもこだわりました。

──製法・食材について、こだわりや特徴を教えてください。
“食パン型のあんぱん”がまだそれほど流通していない中で、“食パン型”というカタチにこだわりました。また、断面の美しさ、満遍なくあんが当たるようにと考え、マーブル状につぶあんを練り込みました。

デニッシュ生地と薄くのばした丹波大納言小豆のつぶあんをシーターで伸ばしながら手作業で幾重にも折りたたみ、棒状に丸めた生地を、生地重量510~520gにカットし枠型に入れて焼成しています。
あんの入り具合により形や断面の模様の違いが生まれる手作りならではの製法で、ひとつひとつ個性がある「あんぱん」に仕上がりました。

つぶあんは丹波篠山産の丹波大納言小豆を使用。丹波大納言は、粒が大きくて煮ても皮が破れにくく、色艶のよい風雅な味わいが特徴の小豆です。パン生地は酒種で仕込むことにより、風味よく仕上げました。厚めにスライスし、トースターもしくはフライパンでこんがり焼き、バターをたっぷり塗っていただくのがおすすめのお召し上がり方です。

おすすめの食べ方でもっとおいしく!

おすすめの食べ方は、“厚めにスライスし、トースターもしくはフライパンでこんがり焼き、バターをたっぷり塗る”ということで、筆者ももちろんトライ!

オーブントースターで軽く焼くと、表面はこんがりきれいなきつね色に。そこへバターをのせると、きめ細やかな生地にバターがジュワジュワと染み込んでいきます。いっそう食欲をかき立てるビジュアルになりました。

バターとあんこは、言わずと知れたおいしい組み合わせ。ひと口頬張ると甘じょっぱい風味が広がり、バターの塩分が、丹波大納言小豆の甘みを際立てています。またトーストしたことで、生地に香ばしさがプラス。サクッと軽く、歯切れの良い食感へと進化しました。ついつい、もう一枚食べようかな……と手が伸びてしまうくらいペロリと食べられてしまいます。
今回は緑茶と一緒にいただいてみましたが、緑茶のキリッとした苦みともマッチしていました。カフェラテなどと合わせて、おやつタイムにいただくのも良さそうです。

常連のお客様へのおもてなしの心から生まれ、ひとつひとつ丁寧に作り上げられた「料亭のあんぱん」。おうちにいながら、京都の老舗料亭の味を楽しめる一品です。週末はゆったり、お取り寄せパンで贅沢気分を満喫してみては。

※2022年6月16日受注分より1,850円(税抜)へと価格変更となりますのでご了承ください。
※本記事は個人の感想に基づき作成しています。味の感じ方には個人差がありますので、予めご了承ください。

■下鴨茶寮

住所
京都府京都市左京区下鴨宮河町62
オンラインショップ
https://www.shimogamosaryo.co.jp/shop/

WRITER

田辺 容子

田辺 容子

1990年滋賀県生まれ。製菓製パン材料を販売する会社でWEBデザイナーを経験したのち、印刷系の制作会社でライターとして勤める。現在は文化芸術を支える仕事の勉強中。好きなパンはシナモンロール。

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