

チーズ×パンの奥深き世界を知る!Pancierge Salon vol.5レポート


2025年7月にスタートした「Pancierge Salon(パンシェルジュサロン)」。第5回は10月15日、東京・御茶ノ水のワークプレイス「オチャノバ」にて開催されました。今回はチーズプロフェッショナルの丹下慶子さんをゲストに迎えた、パンとチーズのペアリングについてのお話です。
丹下慶子さん(料理研究家)

ワインとチーズの教室「さくらキッチン」主宰。
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
日本ソムリエ協会認定ソムリエ、ワインエキスパート
SAKE DIPLOMA
漢方養生指導士
ワインスクールでチーズ講師を務めるほか、多方面で活躍。
低GIで筋肉増強、認知症予防など、チーズは優れた食品

まずはチーズそのものについての解説。低GI食品なので血糖値の上昇を抑制するほか、アミノ酸が豊富で筋肉増強の増強効果もあり、骨粗鬆症予防、虫歯予防、認知症予防など、あらゆる嬉しいメリットがあるのです。
「チーズは脂肪が多くて心配」「塩分が多いから血圧が……」と思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、そんな方にじつはおすすめの食品。ふだんの食事はもちろん、じつはおやつにもぴったり。適量を守ることが何より大事です。
チーズのタイプと特徴を学ぶ

次に、チーズの種類について解説がありました。主に下記のように分類できるそうです。
①フレッシュタイプ
熟成をさせないタイプなので、水分が多くみずみずしい。
モッツァレラ、フロマージュブランなど。
フルーツと相性がよく、ワインは白かスパークリングワインが合う。
②白カビタイプ
軽いものからリッチなものまでバラエティに富んでいる。
ブリーやカマンベールなど。
あんこや抹茶などの和素材、フレッシュな赤ワインやスパークリングが合う。
③青カビタイプ
しっかりとした風味と強い塩けが特徴。
ゴルゴンゾーラやロックフォール、スティルトンなど。
ドライフルーツやナッツ、はちみつ、ポートワインなどの甘口ワインが合う。
④ウォッシュタイプ
外皮を洗いながら熟成させるチーズ。オレンジ色の表皮が特徴。
マンステール、エポワス、リヴァロなど。
蒸したいも、さつまいも、かぼちゃ、スパイスなどと相性がよく、フレッシュなアロマのある白ワインが合う。
⑤シェーブルタイプ
ヤギ乳で作ったチーズで、若いうちは酸味があるが熟成につれコクが深まる。
クロタン・ド・シャヴィニョル、サント・モール・ド・トゥレーヌなど。
熟成具合にあわせてオレンジピールなどの柑橘、新玉ねぎやかぼちゃなどの甘みのある野菜と合わせると◎。シェーブルの一大産地であるロワール地方のワインが合う。
⑥セミハード、ハードタイプ
素朴で深みがあり、熟成具合によってうまみとコクが出る。
チェダー、コンテ、パルミジャーノ・レッジャーノなど。
くるみやナッツが入ったパン、ワインはコクのある白が合う。
パンとのペアリングを体験!

チーズそれぞれの特徴がわかったところで、いよいよパンとのペアリングです。今回は、4種類のパンとチーズの組み合わせを試食しました。
①シェーブル・フレ×ブリオッシュ
若いシェーブルタイプにはリッチなパンがよく合うということ。ブリオッシュになにかを合わせたことがなかったので驚きました。ブリオッシュのリッチなうまみに、シェーブルチーズのさっぱり感がよく合います。
②コンテ×くるみパン

セミハード、ハードタイプのコンテは、くるみやナッツを使ったパンが合います。サイドの香り、表皮の香り、折った香りを楽しむと、それぞれ異なる感想を抱きます。口に含むと、コンテのナッツのような風味とくるみの香ばしさがぴったり。
③ブリー×クロワッサン
リッチな白カビタイプのパンに、リッチなクロワッサンの組み合わせ。チーズからはミルクの香りがふわり。上にかけられたコショウでぴりっとスパイシー。マッシュルームのような上品さがあります。クロワッサンと合わせると、生地のバター感とチーズのクリーミーさが相性抜群。口溶けがよい組み合わせでした。
④ブルーチーズ×いちじくのパン
いちじくの甘さに青カビの塩けがちょうどよく、まろやかになるのに驚き。ブルーチーズの特徴にあるとおり、はちみつをかけてもおいしそうです。
参加者からは「シュトレンにも合いそう」という言葉が漏れましたが、そのとおりなのだそう。
保存方法やペアリング……実用的な質疑応答タイム

パンシェルジュからの質問タイムでは、具体的な質問が満載。質問者はもちろん、参加者にとっても有益な時間となりました。
Q.ウォッシュタイプのチーズの切り方について教えてください。
A.チーズが丸型だったらケーキカットのように、外側と内側が均等になるように切ってください。
Q.保存方法について教えてください。
A.ウォッシュタイプのチーズは1週間くらいもちます。中が熟成とともにとろっと出てきてしまうので、断面の折ったアルミホイルをくっつけると型崩れを防ぎ、中身がでるのも防ぐことができます。
青カビタイプは水分が多いので、ペーパーで包んでラップを。ハードタイプは食べる分だけカットして、残りは密着ラップしてください。
Q.ワインは苦手なのですが、日本酒でもペアリングできますか?
A.できます。シェーブルタイプなら辛口の吟醸酒、くるみパンとコンテなら、リッチな味わいが楽しめる純米酒、ブリーとクロワッサンなら、スパークリング日本酒などが合います。
パンとチーズ、職人のこだわりが詰まった共演
丹下さんが最後に解説していたのは、コンテについて。コンテはフランスを代表するハードチーズで、酪農家、チーズ職人、熟成師というそれぞれの作り手がバトンタッチして生み出されるものです。チーズもパンも、職人たちの手で愛され熟成され、できあがっていくのだなあと思いました。
パンシェルジュのみなさんが集う「Pancierge Salon」。今後もパンにまつわるさまざまなプロを招いて、ますます奥深い世界を知って楽しむ機会を提供していきます。ぜひご参加ください。
申込はこちらから!
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「Pancierge Salon」
ー次回以降も豪華なラインナップー
Vol.7 2025年12月11日開催 パンクラブ主宰 ひのようこさん登壇!-「パネトーネ」に迫る-
来年以降も様々な企画を準備中!
※本イベントは定員がございます。
※本イベントはパンシェルジュ検定合格者及び第32回パンシェルジュ検定申込者のみ参加可能です。
※先着順となっております。上限に達し次第申し込みを締め切ります。

