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【初心者向け】パンづくりの最低限の道具、かかる時間、コツなど……専門家に聞きました!
パンのあれこれ

【初心者向け】パンづくりの最低限の道具、かかる時間、コツなど……専門家に聞きました!

梶原 綾乃
梶原 綾乃

「パンを食べるだけではなく、作りたい!」と思ったときが、作りどき。
まずはとにかくやってみたい、道具はあとからこだわりたいという方に、
最低限の道具や、所要時間、手順などをご紹介します。
この記事をきっかけに、手作りパンデビューしてみませんか。

◾️目次

 

 

 

 

 

 

 

■監修
株式会社ホームメイドクッキング
常務取締役 加藤美弥子さん

同社パン講師を経て、現在は全国56あるホームメイドクッキングの教室の講師や地域ブロックの統括を担当。レッスンメニューの開発業務にも携わっている。

■参考文献
「パンシェルジュ検定3級公式テキスト」(実業之日本社)

■画像
写真AC

パンづくりにマストな道具

パンづくりを始めるにあたって、
道具がたくさん必要というわけではありません。
最低限の道具はオーブン、温度計、スケール、パンマットの4つ」と加藤さん。
それぞれが、なぜ必要なのかを解説します。

スケール

 

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デジタルはかりUH-3201ホワイト

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A&D 家庭用のデジタルはかり パンやお菓子作りに便利です。
https://online.homemade.co.jp//products/detail.php?product_id=913

 

材料を計量したり、生地を均等に分割したりするときに使います。ちょっとした誤差でパンの出来を大きく左右する材料もあるので、正確な計量が大事。0.1gの単位まで測れるものを使いましょう。

パンマット(キャンバス地)

 

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キャンバス 地(抗菌・ストライプ入り) 

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ベンチタイム(生地を休ませる)や、成型の時に使用する、帆布です。
https://online.homemade.co.jp//products/detail.php?product_id=453

 

生地を休ませるときに上にかぶせたり、成形作業をするときに下に敷いて使います。生地の乾燥を防ぎます。

温度計

 

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温度計 50℃アルコール

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パン作り専用の温度計。
https://online.homemade.co.jp//products/detail.php?product_id=698

 

材料の水の温度を測るのに使います。先の細いものだと、生地に刺せるので便利です。

オーブン(ガス・電気)

予熱ができて、250℃くらいまで上昇するものがよいとされています。発酵に適した温度を維持してくれる「発酵機能」や、ハードパンをパリッと焼ける「スチーム機能」が搭載されたものもあります。

パンづくりで活躍する道具

主要な道具以外は以下のとおりです。
基本的に代用可能なものばかりですが、
パンづくりに適したものや機能性の高いものが多く開発されています。
不便なくパンづくりをしたい方は、ぜひ購入を検討してみてください。

ボウル

 

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プラボール 15cm

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ポリカーボネイト製のボウル。自重100gで計量に便利。注ぎ口付で、スタッキングができるのでいくつ持っていても便利です。耐熱120℃
https://online.homemade.co.jp//products/detail.php?product_id=652

 

電子レンジOKなポリカーボネート製や、湯せんに適したステンレス製などがあります。

ヘラ

 

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ウィズシリコンヘラ 大

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シリコン製一体成形のヘラ。
https://online.homemade.co.jp//products/detail.php?product_id=653

 

材料や生地をすくい取るときに便利です。クリームパンのクリームなど、フィリングを作るときなどにも使われます。

めん棒

 

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めん棒 小 パン用

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パン用のガス抜きめん棒です。
https://online.homemade.co.jp//products/detail.php?product_id=477

 

生地を均一に伸ばすのに使います。つるりとしためん棒と、凸凹があって生地がつかないガス抜きめん棒があります。

スケッパー・ドレッジ

 

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波付スケッパー

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波型加工で生地がくっつきにくいスケッパーです。
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生地を分割するのに使います。生地を切り分けたり、台にくっついた生地をこそぎ取るのに適しています。

▼便利なスターターキットも販売されています。

 

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スタートキット(パン)

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パン作りに欠かせない道具だけを集めたお得なセットです。
https://online.homemade.co.jp//products/detail.php?product_id=1683

 

パンづくりに活躍する便利な家電

パンづくりをより楽にしてくれる家電を紹介します。
これらがなくても作ることができますが、たくさんの生地を一度に作りたい場合や、
手作りしたいけどなるべく手間を省きたい場合などに重宝されます。

ホームベーカリー

材料を入れるだけで、生地をこねるところから焼成まで行ってくれます。クリームパンや惣菜パンなどを手づくりする際は、生地をこねるところまでホームベーカリーに行ってもらうとスムーズです。

フードプロセッサー、スタンドミキサー、ニーダーなど

 

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CuisinartフードプロセッサーDLC-10PRO(送料込・シンプルカバー付)

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クイジナート業務用小型多機能タイプフープロ
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電動で生地をこねてくれる機械です。粘りけの多い生地などは手を汚さず、硬い生地は力を使わずにこねることができ、大量の生地を一度に仕込むときなどに便利です。

発酵器

 

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洗えてたためる発酵器 PF102

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パン生地の一次発酵、二次発酵、天然酵母の種おこしに
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温度や湿度を一定に保つことができるので、生地を発酵させるのに適しています。折りたたみ式のものも発売されています。大量の生地を一度に発酵させたいときに便利です。

パンづくりに欠かせない基本材料

砂糖や卵、油脂などたくさん入っているイメージもあるかもしれません。
しかし、「最低限の材料は小麦粉、塩、酵母、水の4つです」と加藤さん。
それぞれの材料と砂糖についても、解説していきます。

小麦粉

スーパーに売っている一般的な小麦粉や、製菓製パン材料店に売っているパン専用粉がおすすめです。「好きなパン屋さんが使っているものと同じ小麦の銘柄を使いたい!」という人もいるかもしれませんが、粉によっては扱いにくいものもあります。製菓製パン材料店の店員さんに聞いてみても。

塩をまったく入れないで作ると、グルテンが引き締まらないので膨らんでも縮む、発酵が早く進みすぎて異臭がするなど、あらゆる弊害が考えられます。

酵母

まずは長期間保存ができ、小分けになっていて使いやすい「インスタントドライイースト」を選びましょう。

水は牛乳に置き換えることもできますが、質量が異なるため分量に注意。発酵にやや時間がかかる、やや焼色がしっかりつくなどの特徴があります。

砂糖

砂糖は控えると食感が固くなります。ふっくらと膨らませることを考えると、砂糖は入れたほがよいと考えられます。

「減塩したい」「砂糖は減らしたい」という意見もあるかもしれませんが、パンづくりは科学の世界。
材料は味だけに作用するわけではないので、初心者の方はまずレシピ通りに作ってみましょう。

パンづくりの基本の流れって?

パンづくりは、おもに以下の6工程に分けられます。
基本的な丸パンの場合、以下ような工程があるとみておきましょう。

1.計量
小麦粉、砂糖、塩、水、イースト、油脂を計量する
2.生地づくり
ボウルに材料を混ぜてこねる
3.一次発酵
ラップをし、生地がひとまわり大きくなるまで発酵させる
4.分割・ベンチタイム・成形
生地が発酵したら分割して丸めて、しばらく休ませる
5.二次発酵
6.焼成

こう見ると、「焼き上げるまで大変そう」と思う人もいるかもしれません。
生地を混ぜてからこねて形にするまでは、力もいるかもしれませんが、
自分が手間を掛けて生地を育てていく感覚は、手づくりならでは。
それぞれの工程に楽しさがあるので、あっという間にできあがりますよ。
それぞれについては、パンシェルジュ検定テキストでもより詳しく勉強することができます。

パンが出来上がるまで、どのくらいの時間がかかる?

パンの種類や、粉の種類、季節などにもよりますが、
基本的な丸パンの場合、以下の時間がかかるとみておきましょう。

1.計量・・・・・・・・・・・・・5分
2.生地づくり・・・・・・・・・・20分
3.一次発酵・・・・・・・・・・・60分
4.分割・ベンチタイム・成形・・・・・・15分
5.二次発酵・・・・・・・・・・・60分
6.焼成・・・・・・・・・・・・・15分

合計時間175分

それぞれの時間はあくまでも目安の時間です。
生地を発酵したり休ませたりと、待っている時間も多いのが特徴。
ずっとパンにかかりきりではないので、掃除をしたり、休憩をしたりと、
“ながら”でできるのもうれしいポイントです。

初心者が失敗しがちなポイントって?

長年パンづくりを教えられてきた加藤さんによると、
初心者の失敗はおもに下記が考えられるといいます。

「分量を正確に測っていない」

パンづくりは、ふだんの料理のように「ざっくり」計量ではうまくいかないもの。正確な計量ができて初めてパンが学べます。塩やイーストなど、少ない分量の材料も、0.1g単位でしっかり計量しましょう。

「生地を充分にこねられていない」

おいしいパンは生地づくりが大切です。生地中のグルテンはこねたりたたいたり、物理的な力を加えることで網目状の組織となり、伸展性が出てきます。グルテンが弱いと、膨らんでいる途中に弾けてしまったりするため、生地をしっかりとこねるようにしましょう。

「発酵が足りない」

「パンが硬くて小さくなってしまう」という人は、発酵が足りないと考えられます。発酵を待てなくて、早めに切り上げてしまっていませんか。また、作業環境の温度や生地の温度などが低かった可能性もあります。

初心者でもプロ級に作れるコツってある?

グルテンをしっかりとつくっておくことが、プロ級のおいしさにつながります」と、加藤さん。
生地はしっかり集中してこねましょう。こね上がったらグルテンがちゃんとできているかどうかをチェックします。生地をやさしく伸ばして、きちんと薄い膜のようになっているかどうか、確認することも大切です。

また、慣れないうちは、パンを作る以外のことに欲張ろうとせず、パンづくりのみを楽しんでみると、失敗は少ないといいます。

ホームメイドクッキングの教室では、どんな生地の状態が正しいのか、直接目で見たり触ったりしながら教わることができます。実際に挑戦してみてわからなかったことがあれば、教室で教わるとより知見が深まるかもしれません。もちろん、最初の一歩を教室で踏み出すのも気軽でいいですね。


パンづくりのいいところは、基本ができれば応用も簡単であることだと筆者は考えます。
まずは基本のレシピをしっかりと作れるようになって、
いろんなレシピにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
焼きたてのパンの香りやおいしさは、
いつどんなときでも人を幸せにしてくれるものだと思います。

加藤さんによると、温度管理の難しい冬よりも、
梅雨に入り、ジメジメしてくるこれからの時期のほうが、パンは作りやすいといいます。
みなさんもこれをきっかけに、ぜひパンづくりはじめの一歩を踏み出してみませんか?

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WRITER

梶原 綾乃

梶原 綾乃

編集者/ライター。
お菓子やパンを作ったり、食べたりすることが好き。
ご当地パンの包装紙を収集中。「サラダパン」が大好き。

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