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ZOPF伊原靖友シェフ~に学ぶ ~パンシェルジュ検定コラボレッスン~ 「パンづくりの基本と、おいしくなる理由」開催レポート
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ZOPF伊原靖友シェフ~に学ぶ ~パンシェルジュ検定コラボレッスン~ 「パンづくりの基本と、おいしくなる理由」開催レポート

ぱんてな編集部
ぱんてな編集部

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2026年4月18日(土)、パンシェルジュ検定と東京・神田にある料理教室、ハッピークッキングのコラボイベントとして初めてのパンづくりレッスンが行われました。
講師は千葉県松戸市の『ZOPF(ツォップ)』のシェフ伊原靖友(いはらやすとも)さんです。手ごねでフォカッチャを作りながら、パンづくりに欠かせない材料の役割や工程の基本について丁寧に学びました。

ZOPFシェフ伊原靖友さんプロフィール

1965年東京都生まれ。18歳にしてパン職人になることを決意し、平塚のパン屋に修行に赴く。1986年に帰郷して父が開いた千葉県松戸のパン店を継ぎ、2000年にパン店「BackstubeZOPF」としてリニューアルオープン。2003年には店舗2Fにカフェ「Ruheplatz ZOPF」をオープンし、2009年にパン教室工房「Lehrstube ZOPF」をオープン。専門学校などでもパンづくりを指導し、後進の育成にも熱心。

パンづくりに欠かせない小麦粉の特徴を知ろう

終始ニコニコの伊原シェフ。

「僕は基礎講習が大好きなんだけど、初心者の人には深すぎる話をしてしまう」と笑いながら講座を開始した伊原シェフ。その深い話とは「それぞれの作業の背景の詳しい話」なんだとか。今回も10時から15時まで行われたレッスンで、パンづくりの基本というよりも奥深い本質といえるお話がいくつも飛び出しました。

受講者さん向けのレシピと材料のセット。

講習の題材となったのはたくさんこねないフォカッチャ。手ごねで、成型をせずに焼くので、自宅でも作りやすいパンとして選ばれました。参加者の皆さんには、あらかじめレシピが配られています。

ユメチカラブレンドとキタノカオリ。キタノカオリの方が黄色い。

小麦粉は江別製粉のキタノカオリとユメチカラブレンドという2種類を混ぜて使います。キタノカオリは、国産としては珍しい黄色っぽい小麦です。焼き上がりもほんのり黄色く、見た目にもおいしそうで、実際味も甘みのある強力粉です。鎖状になるグルテンが比較的短くなるため歯切れのいいパンになります。

もうひとつのユメチカラは、超強力粉。「よく練ったらよく伸びる生地になります」と伊原さん。元々日本はうどんに向いている中力粉の小麦が多く、もっと強い粉とブレンドして、パンを作ろうという発想から生まれた品種です。「ユメチカラは手まぜだと練りきれない。ちょうどいい具合に弱めたソフトなパンができるような配合にしています」とのこと。

今回は、ボリュームがあり、生地の伸びがよく、ねっとり感がないフォカッチャになるようにと、キタノカオリを多めにしています。

混ぜるときは、親指と人差し指の2本を使う。硬さを均一にするのがポイント。

「粉の特徴を知っていると、この粉をあのパンに使うとおいしそうなどと想像できるようになりますよ」と伊原さん。どんな粉を選ぶかも、パンづくりの醍醐味のひとつだそうです。

たくさんこねなくても膨らむのはなぜ?

生地を25℃に保って発酵。

フォカッチャの手順は材料を混ぜるオールイン方式から始まり、ミキシング、一次発酵、2回のパンチ作業と生地を休ませる工程を経て焼成まで6つのステップで進みました。

伊原シェフは作業をしながらも、レシピ本には載っていないようなパンづくりの本質を次々とお話されました。例えば、パンはゆっくり作る方がいい、イーストの量は少ない方がいいこととその理由、パン生地の酵母はオーブンの中で焼かれるまで発酵を続けているといった、「言われてみれば」と思わされる目から鱗とも言えるパンづくりの事実が次々と。

冒頭で「どの作業にも理由がある」とのコメント通り、作業を進める中でも、その背景や必要性が細かに説明されました。とくに、今回のあまりこねないフォカッチャがなぜ膨らむのかについてのお話は、奥が深いもの。

発酵後の生地の感触を触ってみる受講者のみなさん。

よくパンづくりで生地が膨らまなかったという失敗談を聞きます。伊原シェフは、その理由を「イースト自体は十分にガスを出しているので、膨らまない理由は生地が弱いから」と説明。

グルテンはパンにとって鉄筋のようなものと言われます。その鉄筋を伸ばしたり叩いたりして強くし、さらに縦横に重ねることで網目構造の密度が高まります。今回のフォカッチャは、折り畳むスタイルのパンチ作業を2回に分けて行うので、生地が酵母から出るガスを閉じ込めやすくなるんです。

また、グルテンがしっかり伸びるように一次発酵できちんと膨らませると、焼き上がりも膨らみやすいそうです。

生地を折り畳んでパンチング。

「強い粉を使う、ちゃんとこねる、一次発酵でちゃんと膨らませる。この3つを守れば、パンは膨らみます。実は発酵の失敗じゃないんですよ」と伊原シェフ。

受講者のみなさんもフォカッチャを指でピケ。

今回のフォカッチャは、生地の半量に、具材を折り込んでから焼きました。「具材を入れるタイミングはパンづくりですごく大事。今回はフォカッチャだからパンと具材がはっきりしつつも一体感があるように、こね終わった後に具材を入れます。バラバラならサンドイッチでいいし、こねる前に入れたら形がなくなる代わりに色や味が生地と一体になります」と伊原シェフ。そのコメントを聞いた受講者のみなさんから「あぁ」と納得の声が上がっていました。

何度も作りたいシンプルなフォカッチャ

 

伊原シェフ持参のバゲットのレスペクチュスパニスとロブロのオープンサンドがランチで提供されました。

今回の講習は10時から15時までのため、焼成前の生地を休ませている間がランチタイムでした。伊原シェフ持参のパンとハッピークッキングから豆のスープが振る舞われました。

焼き上がりを撮影しました。

受講者さんより先に焼き上がった伊原シェフのフォカッチャ。オーブンから焼き上がりが出てきたときは、会場に歓声が上がりました。粗熱を取ったあとに、みんなで試食。ふっくら厚みがあってやわらかな焼き上がりです。

焼き上がりを撮影しました。

講座の最後に「練習するなら、まずは同じ材料とやり方でやってみるのが大事ですよ」と伊原シェフ。「大事なことは同じものを作り続ける。シンプルでこねないフォカッチャは、家族も食べやすい。できれば1週間以内に自宅で作ってみてください」と自宅での復習を促しました。

レポートでは紹介しきれないほど、大事なパンづくりの考えがたっぷり学べるレッスンでした。

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ぱんてな編集部

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