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お菓子研究家・SAWAKOさんのアメリカ滞在レポート〈2〉本場のドーナツ5店を食べ歩き!
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お菓子研究家・SAWAKOさんのアメリカ滞在レポート〈2〉本場のドーナツ5店を食べ歩き!

梶原 綾乃
梶原 綾乃

東京・池尻大橋のお菓子教室「Fait Beau Tokyo」のSAWAKOさんは現在アメリカに短期滞在中!現地から最新パン情報を3ヶ月連続でお届けする連載第2回をお届けします。


アメリカは今も昔もみんなドーナツが大好き!

「アメリカのパンやスイーツの代表といえば何?」アメリカ人に聞いたら間違いなく多くの人が『ドーナツ』と答えるでしょう。最近は日本でもドーナツブームが再熱していますが、アメリカは今も昔もみんなドーナツが大好きです。ホームパーティーや差し入れにはドーナツを持って行く方も多いです。

ロサンゼルスはアメリカのドーナツの中心地とも言われるほど、ローカルなものから人気店まで沢山のドーナツショップがあります。

私はロサンゼルスを訪れるまで、アメリカのドーナツにはそれほど興味がなかったのですが、最初に何気なく食べたドーナツのおいしさに驚き、食べ歩きをスタートしました。

今回は私が食べてきた中から、特におすすめの5つのドーナツショップをご紹介します。

いつでも揚げたてのドーナツが食べられる「Side car donuts」

Side car donuts

私がロサンゼルスで初めて食べたドーナツはここです!

2012年にロサンゼルス近郊の街コスタメサのフードトラックからスタートした「Side car donuts」。今ではハリウッド、サンタモニカなどロサンゼルスの人気エリアにいくつかの店舗を持つ人気のドーナツ専門店です。

Side car donuts

店頭には、美しく小ぶりで繊細そうなドーナツが並びます。

曜日によってはイーストドーナツも並びますが、主力商品はベーキングパウダーを使用したタイプのケーキドーナツです。ケーキドーナツというとオールドファッションを代表とする、ずっしりとした重めのドーナツをイメージしますよね?なんとこちらのドーナツはふわっと軽く、でもイーストドーナツにはないしっとり感があります。

まず、食べた瞬間に、まだドーナツが温かいことにびっくり!お店の方に伺うと、作り置きをせず1時間ごとに新しい揚げたてのドーナツを並べているとのこと。お店には「世界で最もフレッシュなドーナツ」という看板を掲げているほどです。

私が気に入ったのはハックルベリーのフレーバー。ハックルベリーは酸味がありカシスのような味わいです。

Side car donuts

日本ではあまり馴染みのないハックルベリーですが、アメリカでは一般的なものだそう。その後もカフェなどでよく見かけました。

華やかな見た目に反して甘さは控えめなドーナツとベリーとの相性が抜群でした。

全てがヴィーガン!なカラフルドーナツ「Donuts Friend」

こちらのお店は有名音楽プロデューサーのMark Trombino氏がオープンしたドーナツ専門店です。

Donuts friend

ドーナツが単なる朝食とならないようにとのコンセプトから夜遅くまで営業しているので、ホテルに戻る前に買って帰れるのも嬉しいポイント。

ドーナツが大好きだった彼は音楽活動の傍ら、ドーナツレシピの研究を始め、2013年にロサンゼルス近郊の街ハイランドパークに一号店を作ります。私が伺ったのは二号店で、ホテルやオフィスが立ち並ぶロサンゼルスのダウンタウンにあるお店です。

カラフルなかわいらしいドーナツが並んでいますが、実はこのドーナツ全てがヴィーガンで、植物性の材料からできています。

Donuts friend

ロサンゼルスはヴィーガンの人口が日本よりもずっと多く、どのレストランにも必ずメニューにヴィーガンオプションがあります。

私も植物性の材料でお菓子づくりをしたことがありますが、乳製品や卵を使用したものと比べて、思うような味わいにならないことも多いものです。しかし、こちらのドーナツは言われなければヴィーガンとは気づくことができないほどの完成度!ふんわりとしたイーストドーナツが人気です。

Donuts Friend

バナナケーキドーナツ、シンプルなジャム入りのイーストドーナツ、ブリュレ風のイーストドーナツ、アップルフリッターです。

私が注文したのはこの4つ。いちばん楽しみにしていたのは写真左上のアップルフリッターです。私のお菓子教室に来たアメリカ人の生徒さん達が、アメリカに行ったらフリッタードーナツを食べてみてね!と言っていたのを思い出し、注文しました。

初めて食べたフリッターはザクザクとした食感の中にイーストドーナツらしいふんわり感もあり、クセになるおいしさでした。

健康やエコロジーにも配慮した「Holey Grail Donuts」

かつてハワイのカウアイ島で日曜日にだけ販売していたこちらのドーナツ屋さんは、ここロサンゼルスでも公園の一角にフードトラックを停めて販売しています。

個人的に私が好きなカルバーシティーという、おしゃれなレストランが立ち並ぶローカルに人気のエリアにあります。

ケーキドーナツのお店ですが、ハワイ産のタロ芋を使用したドーナツ生地は、まるでもち粉を使っているかのようにもちもち。オーガニックココナッツオイルで揚げているので、風味豊かに仕上がっていました。ココナッツオイルで揚げるドーナツは日本ではかなり珍しいのではないでしょうか。

そして何よりオーダーを受けてからひとつひとつ仕上げているので、熱々をいただくことが出来るのも嬉しいポイント。今回はテイスティングボックスという、人気の4種類が入っている箱を購入しました。

Holey Grail Donuts

中にはウベ、チョコレート、ハニー、チャイのフレーバーが入っていました。

私が特に気に入ったのは紫色のウベドーナツです。ウベは健康によいと今アメリカでブームになっている食材で、ハワイやフィリピンで栽培されている芋の一種です。アメリカでは、パンケーキやスイーツに主に使われています。

ウベドーナツは、シンプルなドーナツに甘さ控えめなウベのグレーズがコーティングされていて、紅芋のようなどこか懐かしい味わいでした。

ドーナツに使われているその他の材料も出来る限りローカルのものを厳選し、着色料などは一切使用していないとのこと。箱にいたるまで再生可能なものを使用するこだわりが、健康やエコロジーに敏感なロサンゼルスの人々に受け入れられている理由かもしれません。

人気カフェでいただく小ぶりで上品なドーナツ「Republique」

続いてはロサンゼルスで話題のベーカリーカフェです。

Republique

オーナーご夫婦は、他にも数店舗の人気レストランをロサンゼルス市内で経営しており、奥様の出身地のフィリピンでも、人気ベーカリーを大きく展開しているそう。

ドーナツ専門店ではありませんが、イーストドーナツがおいしいと聞いて食べてみたい!と、土曜日の朝にお店に向かったところ、まだ朝にも関わらず長蛇の列!人気の高さが一目瞭然で、期待に胸が膨らみます。

お店の方から、いくつかのパンは小窓からテイクアウトで購入出来ると教えてくれたので、今回は少しだけ購入。シンプルなヘーゼルナッツチョコレートのイーストドーナツと、ブリュレ風イーストドーナツを選びました。

Republique

箱を開けてみてびっくり!アメリカのドーナツとは思えないかなり小ぶりな見た目。我慢しきれずその場でひと口。

もっちもちの生地に濃厚なクリームが堪らないおいしさで、まさに今日本で流行っているようなタイプのイーストドーナツです。ロサンゼルスのどのドーナツ屋さんにもあるブリュレ風のドーナツは、香ばしいカラメルの風味と濃厚なカスタードが絶妙な味わいです。

店内にあった他のケーキやブランチのメニューもとってもおいしそうだったので、今度は平日にトライしてみようと思います!

家族経営のローカルドーナツショップ「SK donuts」

最後にご紹介するのは、これぞアメリカ!な「SK donuts」。ストリップモールと呼ばれる小さな商店街の中にある家族経営のお店で、ここ以上にアメリカらしいドーナツ屋さんはないのではと思わせてくれるような温かみのあるお店です。

SK’s donuts

車を走らせると、簡単にドーナツ屋さんを見つけることが出来るほどローカルドーナツショップはロサンゼルス中にあります。

色々なドーナツがあるロサンゼルスですが、今でも街角には多くのローカルドーナツショップが健在です。お店の前には列が出来るほどローカルの人達に人気のようでした。

SK’s donuts

オシャレな最近のドーナツ屋さんと比べるとリーズナブルで、生活に密着したお店でした。

一見、アメリカならどこにでもありそうなお店ですが、こちらのお店はシンプルなアメリカンドーナツの他に、クロワッサン生地を使用したクロナッツ、多くのヴィーガンドーナツなど幅広いオプションが揃っているのが人気の秘密です。

今回は友人に差し入れをする予定があったので、おいしそうなものを6個購入しました。

SK’s donuts

クロナッツを2種類、グレーズ、チョコレート、苺、ブリュレ風のイーストドーナツをチョイス。

どれもみなさんが想像するような甘めのアメリカのドーナツなのですが、ひとつひとつ丁寧に作られており、特にフルーツが乗ったものは酸味がドーナツの甘さを引き立てており相性抜群。クロナッツもサクサクとしておりフレッシュな味わいでした。見た目も華やかで、プレゼントにぴったりです。

さて、ロサンゼルスで私がお気に入りのドーナツ屋さん5店舗をご紹介しました。

ドーナツの種類の多さに驚いた方も多いのでは?都会的なヘルシー志向のものからとっても甘いアメリカンなものまで、様々な選択肢があるのもロサンゼルスの魅力のひとつです。

次回はまた違ったロサンゼルスのパン事情をお届けする予定です。お楽しみに!

■今回ご紹介したお店のURL

SAWAKO(Fait Beau Tokyo)

「ル・コルドン・ブルー東京校」を卒業し、渡英・渡仏。本場のシュガークラフト、カップケーキ、イギリス菓子、フランス菓子を習得。帰国後、 「お菓子教室Fait Beau Tokyo」を主宰。フランス菓子やカップケーキなどのレギュラーレッスンの他、メディアやイベントへの出演、撮影協力、レシピ提供などを行う。外国人旅行者へ英語で行う日本らしい洋菓子のレッスンJapanese Baking Master Courseも人気。

お菓子教室「Fait Beau Tokyo」のホームページはこちら

SAWAKO先生の著書『パリのかわいいお菓子づくり』(朝日出版社)はこちら

WRITER

梶原 綾乃

梶原 綾乃

編集者/ライター。
お菓子やパンを作ったり、食べたりすることが好き。
ご当地パンの包装紙を収集中。「サラダパン」が大好き。

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