

アンデルセン「ファーマーズブレッド」シリーズが国産小麦粉100%に!開発秘話&担当者おすすめの食べ方を実食!

「アンデルセン」の「ファーマーズブレッド」は、りんご(紅玉)発酵種を使用し、小麦のおいしさを引き出したパンとして人気のシリーズですが、発売から8年目を迎える2026年4月に、国産小麦粉100%にリニューアルしました。
そこで、あらためてシリーズのコンセプトや特徴、リニューアルのポイントなどについて、同シリーズ商品企画担当の西岡夏樹さんにインタビュー。あわせて、主な種類の手軽な食べ方やドリンクとのペアリングも教えていただき、その方法で実際に食べてみました。

株式会社アンデルセン企画グループ 西岡夏樹さん
パンをはじめサンドイッチや洋菓子、ジャムなど幅広いラインナップのアンデルセン商品の中で、「ファーマーズブレッド」などのパンの商品企画を担当。「ブレッドマスター※」ならではの知識とパンへのあふれる想いで、パンをよりおいしく楽しむ方法も提案し続けています。
※「もっとパンのおいしさを広く深く伝えたい、パンを選ぶひとときを心から楽しんでほしい」という想いから誕生した、「アンデルセン」独自の社内資格。好みや食べるシーンに合わせて、パン選びをサポートしています。

「アンデルセン」は、ヨーロッパを源流とするバラエティ豊かなパンを揃えているベーカリーチェーン。1967年開店の広島アンデルセンを旗艦店に、全国に直営ベーカリー「アンデルセン」を展開。デンマークに学んだデニッシュペストリーや、アンデルセンファームのりんごを使った発酵種で作るパンのシリーズ「ファーマーズブレッド」など、日々の暮らしの中のヒュッゲなひとときを提供しています。
※ヒュッゲとは「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」を意味するデンマーク語。
アンデルセンファームのりんごで作った発酵種を使用した日本の食卓に寄り添うパン
──「ファーマーズブレッド」シリーズのコンセプトや特徴などを教えてください。
「ファーマーズブレッド」は2019年4月に食事用パンのシリーズとして誕生しました。弊社では長年、食事用パンをお伝えしていく取り組みをしてまいりましたが、さらに皆さまの毎日に寄り添えるパンをお届けしたいという想いがありました。
コンセプトは「土づくりから食卓づくりまで」。「アンデルセンファーム」で育てた「芸北りんご(紅玉)」で作った発酵種を使用することで、小麦そのもののおいしさをより引き出し、素材や料理など、四季がある日本の食卓に寄り添うパンとして開発しました。特徴は「りんご発酵種」を使用していることです。
りんごを栽培しているベーカリーは珍しいと思います。日本人になじみ深いりんごで作った発酵種を使えば、オリジナリティあるパンが作れるのではないか。そう考え、「ファーマーズブレッド」シリーズに採用することにしました。
ベーシックな食事用パンから季節限定商品のほか、店舗限定のラインナップも
──商品ラインナップや販売店舗について教えてください。
基本商品はプレーンのタイプの「ファーマーズのパン」。その生地をベースとして、ライ麦粒を混ぜ込んだものや、モハベレーズンと組み合わせたものなど、さまざまなバリエーションを揃えています。なかにはロールパンタイプの「まいにちの玄米ロール」や、フォカッチャシリーズなどもご用意しております。
また、季節限定商品も販売しています。これまで、5月には「クランベリーのパン」、秋にはアンデルセンファームのりんごを使用した「芸北りんごのパン」などを販売してきました。
販売店舗は、広島アンデルセンを除く、ほとんどのアンデルセン店舗でおよそ10種前後を揃えています。定番・季節商品とも全店共通商品もあれば、店舗別商品もあります。季節や店舗によって品揃えが違いますが、選ぶ楽しみにつながっていれば嬉しいです。
共通商品以外は、顧客層などによって選ぶこともあり、店舗によって違う商品が置いているそうです。(写真は成城店)。
8年目を迎えた「ファーマーズブレッド」シリーズ。今回のリニューアルポイントは?
──今回、生地を国産小麦粉100%にリニューアルをされたそうですね。
近頃、国産のものを意識して取り入れたいというお客様が増えており、店頭で「国産小麦のパンはありますか?」と聞かれたり、スタッフアンケートの回答にも多かったことから、国産小麦粉100%にチャレンジしました。
国産小麦粉100%に変わるにあたって、焼き皮と内相のコントラストにもこだわりました。焼き皮はできるだけ薄く香ばしく、中はしっとりした食感に仕上げて食べやすいうえ、焼き皮と内相の違いが楽しめるようにしました。
さらに、翌日もおいしく食べていただけるように、水分量をしっかり保持するようにしました。食事用パンを購入していただいたお客様にお話をうかがうと、「明日食べます」という方が多かったため、小麦粉の配合や水分量の調整をして、翌日焼かずにそのままでもおいしいものをと開発しました。
実は前回のリニューアルでも「翌日もおいしい」にフォーカスを当てていたのですが、今回はさらに「国産小麦粉100%で翌日もおいしい」を目指しました。

焼き皮が薄く、内相が見た目でも水分を多く含んでいるのがわかります(写真は「ファーマーズのパン」)。
また、ベース生地のりんご発酵種を2倍に増やしたのもポイントです。国産小麦粉の澄んだ、すっきりしたうま味が感じられることを特色として出そうと思いましたが、りんご発酵種を倍増することによって、最後まで余韻が残るような深みや、奥深さある味わいも感じていただけるパンになったと思います。
──今回のリニューアルで特に苦労した点はありますか?
現在、国産小麦は個人店を中心に大手製パン企業でも取扱いが増えていますので、小麦の選定から確保までかなり苦戦しました。また、国産小麦ならではのうま味であったり、澄んだ味わいをしっかり感じられるような配合にするためには、どの品種をどう配合するか、製粉メーカー様と弊社商品開発担当者で粉の調整を何度も行いながら、実に1年以上かけて独自ブレンドの開発にこぎつけました。
──時間をかけて開発された結果、西岡さんにとってベストだと思えるものが仕上がりましたか?
仕上がりました!開発担当者をはじめ社内のメンバーで「これは違うんじゃないか」とか、「もう1回振り出しに戻ってみようか」ということを何度も繰り返しながら開発していきましたので、納得がいくところに着地ができたと思います。
2019年の発売当初は私たちの想いでスタートしましたが、その後は店舗スタッフの意見を聞いたり、お客様のご要望をうかがいながら少しずつアップデートしてきましたので、お客様や店舗と一緒にここまで育ててきた商品だと思っています。
──企画担当者として、こんなところを楽しんでいただきたいという点はありますか?
やはり焼き皮の香ばしさと、内相のしっとり感ですね。あとは小麦の香りです。パン自体の香りはもちろん、口に入れたときのふわっとした香りも特徴になっていますので、そのあたりもぜひ楽しんでいただきたいなと思います。
まずはそのまま「ファーマーズブレッド」を試食してみました
西岡さんにいろいろなお話をうかがったのち、その味わいに期待を膨らませながら、「ファーマーズブレッド」の主なパン3種類を実食しました。

今回はこの3種類を試食しました
「ファーマーズのパン」
「ファーマーズブレッド」シリーズの基本となるパン。見た目はシンプルですが、小麦の風味を存分に味わうことができ、焼き皮がパリッ、内相しっとりのコントラストも存分に楽しめます。
「デンマークのパン(シリアル)」
デンマークで出合ったパンからインスピレーションを受けて誕生したパン。デンマークにも種実を使ったパンが多いそうですが、同じく種実を使いながら、日本人にも食べやすいパンに仕上げたものだそうです。
6月に開催される「デンマークフェア」で限定販売されるデンマークのバターとも相性抜群なのだとか。この機会に試してみては。
↓デンマークフェア詳細はこちら
https://www.andersen.co.jp/denmarkfair/
「モハベレーズンとくるみのパン」
カリフォルニアのモハベ砂漠で栽培された赤ぶどうのレーズンを使用したパン。ジューシーでコクのある甘さのモハベレーズンと、香ばしいくるみが好相性な風味豊かなパンです。
ドリンクとのペアリングも!西岡さんおすすめの食べ方を実食!
次にそれぞれのパンを、西岡さんに教えていただいたおすすめの食べ方で実食してみました。
「ファーマーズのパン」×オリーブオイル+塩×スパークリングワイン
西岡さん:国産小麦の風味をより感じられるパンですので、オリーブオイル+塩というシンプルな組み合わせで味わうのがおすすめです。小麦の澄んだ香りも楽しめますし、発酵種の風味も引き立ててくれます。
オリーブオイルはマイルドで、フルーティなタイプを選ぶのがおすすめですが、この時期であれば、南半球産の新物が日本でも出始めるので、キリッとした新物の香りと味わいも、ファーマーズのパンをよりおいしく味わえると思います。
塩はまろやかな粗塩で。まずはオリーブオイルをたっぷりしみ込ませて。それから塩をちょっと加えて、うま味が引き立つ感じを楽しんでください。パンをトーストし、より香ばしさを楽しんでいただくのもおすすめです。
<ペアリングのドリンク>
そろそろ暑くなってくる時期ですので、シュワッとスパークリングワインや、キリッと冷やした白ワインがおすすめです。翌日が気になる時は、ノンアルタイプで楽しんでみてはいかがでしょうか。
「デンマークのパン(シリアル)」×バター+チーズ+厚めのハム×100%オレンジジュース
西岡さん:デンマークのベーカリーでは小さめの食事用パンを買うと、希望に合わせてバターやチーズを付けてくれるのですが、これをサンドして食べた味が忘れられなくて。
デンマークでは種実を使ったパンも多いですので、このパンはぜひ現地風に、バターを塗ってチーズをはさんで食べてみてください。さらに分厚いハムをサンドすると最高!大満足のランチになります。
チーズは日本人にも食べやすい、デンマークのサムソーやマリボーといった、クセの無いナチュラルチーズを選ぶのがコツです。バターは塩味が少ないものがおすすめ。弊社で販売している「アンデルセン醗酵バター」はデンマーク由来の乳酸菌を使っていて、ミルキーなのでよく合うと思います。無塩バターなど、ミルキー感たっぷりなバターでもいいと思います。
ハムはお好きなものでOKですが、できるだけ分厚いものを使うのがポイントです。
<ペアリングするドリンク>
うま味やコク、香ばしさが楽しめる食べ方ですので、あと味をスッキリさせてくれる100%オレンジジュースがおすすめ!ハムやチーズの塩味に対して、オレンジの自然な甘みと酸味がコントラストになって、食が進みます。
忙しくて野菜がとれていない時は、野菜スムージーを組み合わせることもあります。“からだにいいこと”をしている気持ちにもなれますよ(笑)。
「モハベレーズンとくるみのパン」×クリームチーズフロスティング風クリーム×ミルクたっぷりのカフェオレ
西岡さん:クリームチーズを塗るだけでもいいですが、少しクリームチーズをアレンジした「クリームチーズフロスティング風クリームでスイーツ感を楽しむのもおすすめです。作り方は以下の通りです。

<ペアリングするドリンク>
ミルクたっぷりのカフェオレがおすすめです。レーズンの甘みやくるみの香ばしさ、クリームのミルキー感の組み合わせを邪魔せず、優しくつなげてくれます。くるみの香ばしさとコーヒーの焙煎の香りがマッチ。ふぅ、と自然に一息つけるような、ゆったりとした時間を手軽に過ごせること間違いなしです!
機会があれば試してみたい!「ライ麦粒のパン」×ポテトサラダ
今回は実食しませんでしたが、こんな組み合わせも教えていただきました!
西岡さん:炊いたライ麦粒をベースの生地に混ぜ込んだのが「ライ麦粒のパン」です。ご飯を食べているようなもちっとした食感が日本人にも親しみやすく、ライ麦粒の甘みを感じられるパンですので、普段の料理と合わせていただくのもおすすめです。
少しずつ暑さを感じるようになってきた今の時期なら、ヨーグルトやサワークリームを和えた、ポテトサラダとも合います。そこに清涼感を加えるハーブを添えていただけば、季節にぴったりの組み合わせになるかなと思います。以下の材料でポテトサラダを作ってみてください。

西岡さん:和食とも相性がよく、豚のしょうが焼きを合わせるのもおすすめです。添える玉ねぎをすって調味料と合わせて作るとソースのようになるので、それをパンに付けながら食べてみてください。
どのパンにも言えますが、パンだけを食べるのではなく、料理との組み合わせや、旬の食材とかけ合わせていただくと、もっと楽しんでいただけるのではないかと思います。
また、四季を感じられるような組み合わせや、旬の食材を楽しめるようなパンとしても「ファーマーズブレッド」は位置づけをしています。弊社ホームページでは、季節のレシピをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
https://www.andersen.co.jp/recipe/Farmers/
「ファーマーズブレッド」シリーズは、素材によって違う味わいや食感、香りを楽しめながらも、体にスーッと浸透していくような優しいパンばかり。日々の食卓に寄り添うパンというのは、このようなものなのだと、改めて体感することができました。
今回ご提案いただいたレシピを参考に、「ファーマーズブレッド」シリーズのパンを、いつもの料理と一緒に味わってみてはいかがでしょうか。
ご協力:株式会社アンデルセン・パン生活文化研究所広報室WEBチーム中村知子さん、アンデルセンゆめタウン久留米店の皆さん
WRITER

辻 美穂

