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ベーグル生地は2種類!東京・世田谷、サザエさん通りの「BAGEL&CAFE ten」
パンやの夜明け

ベーグル生地は2種類!東京・世田谷、サザエさん通りの「BAGEL&CAFE ten」

野崎 さおり
野崎 さおり

全国的にベーグルの専門店がじわじわ増えています。東京・世田谷区に2024年11月8日にオープンした「BAGEL&CAFE ten」もそのひとつ。お店は“サザエさんの街”として親しまれる世田谷区桜新町にあります。常時15種類ほどのベーグルが用意されていて、ベーグルの生地が2種類あるという特徴あるお店です。オーナーの牛尾好智さんにベーグルを2種類作った理由や人気のベーグルについて伺いました。

ニューヨークで出会ったベーグルのおいしさを桜新町で

お店は東急田園都市線桜新町駅から徒歩6分ほどの場所にあります。

──「BAGEL&CAFE ten」オープンの背景を教えてください。

この場所で、なにかお店を開くことが先に決まりました。最初は喫茶店にしてはどうかと思っていましたが、この辺りは近くにパン屋さんがないことに気がつきました。仕事でニューヨークに行ったときに出会って気に入り、家族も好きなベーグルをメインにしたお店はどうだろうと考えて、ベーグルの開発を始めました。

──ベーグルは、クラシックスタイルとニューヨークスタイルの2種類用意しているのはなぜですか?

むぎゅっと感の強いニューヨークスタイルプレーン(450円・左)と水分多めのクラシックスタイルプレーン(280円・右)。

本場アメリカでベーグルを食べたときの感動が忘れられず、本格的なベーグルを出したいという気持ちを持っていました。アメリカで食べたベーグルは、イーストの量は少なめで、発酵はあまりさせず、水分量も少ない印象で、日本ではすぐには受け入れられないと思っていました。そこで、本格的な味としてニューヨークスタイルを作り、そして日本人の好みに合わせたもちっとしたクラシックスタイルのベーグルも準備することにしました。

ニューヨークスタイルは見た目にもわかりやすいように大きく作って、食べ応えもあるようにしています。クラシックスタイルは、サンドイッチにしても食べやすいサイズ感も重視しています。

生地はオリジナルレシピを専門の企業に委託

店内にはテーブル席とベンチシートがあり、ショーケースに常時15種類ほどのベーグルが並んでいます。

──ベーグルの開発期間はどれぐらいでしたか?

3カ月ぐらいかかりました。粉のことを勉強して、製粉会社さんとも相談。そして作り方も勉強したり、試行錯誤したりして完成しました。ニューヨークスタイルとクラシックスタイルでは小麦粉も変えています。

試行錯誤して開発したベーグル生地は、OEM(委託製造)で専門の企業に作ってもらっています。生地玉の状態で納められて、店舗でスタッフが成形から担当します。ベーグルの生地には油脂が入らないため、生地がダレづらいという特徴を生かしたやり方です。

生地をお店で作るのは大変なことで、その分営業日を週4日にしているお店もあります。「BAGEL & CAFE ten」が週6日営業できているのは、専門の会社が生地を作ってくれているおかげです。その代わり日常的にベーグルを食べてもらうことを意識しています。

人気のベーグルとベーグルサンドイッチ

──現在、常時15種類程度のベーグルが並んでいますが、どれが人気ですか?

平日は甘いベーグルの方が人気です。特にシナモンシュガーのベーグルを気に入ってくださっている方が多いです。

セサミベーグル(300円)とシナモンシュガーベーグル(350円)。

オーダーが入ってから作るサンドイッチの中でも、甘いサンドイッチの人気No.1は、「たっぷりバターのあんこサンド」です。よくあんこがおいしいと言っていただけます。今は糖度52%のあんこに有塩のバターを合わせて、塩味と甘さのバランスを重要視しています。

「たっぷりバターのあんこサンド」(500円)。

デンマーク産「BUKO」のクリームチーズを使ったクリームチーズあんこサンドはスタッフにも好評です。クリームチーズにはこだわっているので、ぜひ味わっていただきたいと思います。

ハーブやゴマなどのミックスをかけている「エブリシングベーグル」(250円)。

食事系のサンドでは、自家製スチームチキンのアボカドトマトサラダサンドが人気です。週末を中心によく購入される方がいます。単品のベーグルでは、日本ではまだあまり馴染みのない人が多いエブリシングベーグルも自信作です。バジルなどのハーブやソルト、ペッパーなど自家製のミックスを使っています。

サンドイッチのソースも含めたバランスのいい塩味に

──商品でいちばん大切にしていることは何ですか?

カウンターの中で、ベーグルが焼かれ、サンドイッチの調理も行われています。

全体的に塩味のバランスには気を配っています。ベーグル生地単体の塩分だけでなく、サンドイッチに使うソースも含めて、まず全体的に塩味が感じられ、それから小麦の甘みを感じるように考えています。人間がおいしいと感じる塩分濃度があるので、その範囲に収まることは商品の完成度として重要だと思っています。

──オープンして10か月ほどですが、変化は感じていますか? 今後についても教えてください。

お店自慢のアイスカフェラテ(450円)は、ベーグルの味に合わせて濃いめに作られています。

イートインでベーグルを食べていく方が増えました。平日は、主婦の方とか女性が多く、週末は家族でランチに来る方も増えています。また、2025年2月に愛知県あま市でパートナー企業による2号店を開くこともできました。今後もますます日常的にベーグルを楽しんでいただけるように考えています。


「BAGEL&CAFE ten」は、「長谷川町子美術館」まで100メートルほど。世田谷散歩の休憩にもぴったりです。クラシックとニューヨーク、2種類のベーグルを食べ比べるなど、好みのべーグルを見つけてみてはいかがでしょうか?

■ BAGEL&CAFE ten

住所
東京都世田谷区桜新町1-7-5
電話番号
03-4362-7460
営業時間
9:00〜19:00(日 〜15:00)
定休日
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/bagelcafeten/

WRITER

野崎 さおり

野崎 さおり

ライター。2017年パンシェルジュ検定2級合格。カンパーニュなどのハード系とクロワッサンが好き。旅の目的にはパン屋さん巡りとローカルフードの実食を必ず入れ、旅が「パンの仕入れ」になっていると揶揄されることもしばしば。早起きが苦手なのがパン好きとしての最大の弱点。

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