揚げたパンにクリームやフルーツを挟んだ「揚げサンド」をご存知ですか？揚げサンド専門店「Age.3（アゲサン）」は、2023年5月に福岡・嘉麻本店で販売を始め、国内外で4店舗（2024年7月時点）を展開。東京・銀座店では2時間待ちとなるなど、各地で爆発的な人気を博しています。

今回は、今年4月にオープンした「Age.3 HAKATA」に注目しました。揚げサンドの誕生エピソードやこだわり、魅力、今後の展望などを、代表の松下幸平さんにうかがいました。

きっかけは「フルーツサンドを揚げたい」という発想から

──フルーツサンドを揚げるというのは、これまでありそうでなかった商品だと思いました。どのように誕生したのですか？

2020年にフルーツサンド店「FRUITS SAND THREE」としてオープンしたのが嘉麻本店でした。あるとき社長から「フルーツサンドを揚げたい」というような提案があったんです。「昔から日本人になじみある揚げパンのようで、何か新感覚スイーツが作りたい」と。

しかし、フルーツサンドを揚げるのは現実的に難しい。そのような話をしているうちに生まれたのが、食パンを揚げてフィリングを詰める「揚げサンド」という発想でした。

すぐに5種類のメニューを用意して、特別価格の1個100円で販売してみたところ、自分たちでも驚くほど売れました。それならばと、スイーツ系、お食事系とそのほかのメニューを開発していき今に至ります。

──ちなみに揚げサンドから「Age.3」という店名にされたのでしょうか？

それもありますが、さまざまな意味が込められています。もともとの店名である「FRUITS SAND THREE」の“THREE”は、「三世代で楽しめるものを」という思いがあります。また「FRUITS SAND THREE」のオープンから3年目だったということで“エイジ３（三歳）”という意味も込めています。

使用するパンはもちろん、袋や箱にもこだわりあり

──使う食材や作り方のこだわりを教えてください。

食パンは20種類ぐらい試しまして、できるだけきめの粗いものを選びました。きめが細かいパンは油を多く吸ってしまうんです。さらに揚げる前に袋から出して、少し乾燥させておくことで、外はサクッと、中はもっちりした食感に仕上げるようにしています。

あとは、カロリーや糖質控えめのホイップを使っていることです。植物性ホイップと植物由来の甘味料「ラカント」を使って泡立てたクリームは甘さも控えめで軽やか。より多くの方に食べていただきたいという想いから、「Age.3 」でも「FRUITS SAND THREE」のフルーツサンドでもこのホイップを使用しています。

──揚げサンドの袋や箱にもこだわりがあれば教えてください。

揚げサンドの袋はキュートでさわやかなデザインにしたいと、福岡県出身のイラストレーター・ヨシフクホノカさんにイラストをお願いしました。

持ち帰りの箱は、三角形の揚げサンドを崩さず持って帰っていただけるよう、特注で作りました。どのようにすれば揺れずに持ち運べるか、考えるのがけっこう難しかったですね。

スイーツにお食事系、カロリーや糖質控えめまでそろう中から人気メニューは？

──種類豊富な揚げサンドですが、なかでも特に人気のメニューを教えてください。

スイーツ系で一番人気は「クレームブリュレ」です。カスタードホイップの上にカスタードクリームを重ね、表面をカラメリゼさせた本格派です。もうひとつは「ジャムいちご」。「チョコいちご」とともに発売当初から人気の高いメニューです。

ボリューム満点のお食事系で一番人気なのは「焼きキーマカレー」。辛さを控えめにしていますので、お子さんや辛いものが苦手な方でも食べていただけますが、＋100円で辛口にもできます。また「とろタマナポリタン」も人気です。仕上げにパルメザンチーズを削ってかけています。

より多くの人に食べていただけるようにとご用意しているのが「ホイップ」や「生チョコ抹茶」。「ホイップ」は1個目の価格が100円ということで、ほかのメニューと一緒に購入する方も多いですね。国産抹茶を使った「生チョコ抹茶」は、ほろ苦な大人の味わい。特にご年配の方に人気が高いです。どちらも砂糖を使用していないので、ほどよい甘さで罪悪感も控えめです。

目標は揚げサンドを「世界のスタンダード」に

──松下さんご自身の揚げサンドに対するこだわりや想いがあれば教えてください。

当たり前のことですが、何よりも「おいしい」って言ってもらいたいですね。僕がもともと和食料理人ということもありますが、「見ておいしい、食べておいしい」揚げサンドを、より多くのみなさんにと思っています。

──ちなみに嘉麻本店のあと、福岡ではなく東京・銀座に出店されたのはなぜなのでしょうか？

揚げサンドを、ハンバーガーやホットドッグのような「世界のスタンダードにしたい」という想いがあります。ちょうどいい物件が見つかったこともあり、次の店舗は銀座に出すことになりました。

──なるほど。海外への足がかりとしてまずは東京へ出店と。そして福岡市内に続いて2024年6月には香港へも出店されましたが、今後も海外出店のご予定はあるのでしょうか。

はい。まずは日本ブームがきているという東南アジアから店舗を増やしていく予定です。揚げサンドが「世界のスタンダード」になれるように、マクドナルドのように全世界へ店舗展開することが目標です。

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「フルーツサンドを揚げたい」というユニークな発想から始まった「揚げサンド」。サクッともっちりした食感に揚がったパンは、クセになりそうな味わいです。具がたっぷりでも重くないので、ついもうひとつ食べたくなってしまう、まさに新食感スイーツです。

そして2024年6月25日には、海外初出店となる香港店がオープン。福岡県発「揚げサンド」の世界進出を、福岡県民である筆者も楽しみにしています。

香港店オープンを記念して、「日本を旅する　贅沢揚げサンド」第4弾「香港マンゴー杏仁豆腐」が、2024年7月1日（月）〜期間限定販売中です。ジューシーな甘いマンゴーとオリジナル杏仁豆腐クリームを楽しめる一品。要チェックです。