パンをおいしく保存しよう
~第2回 パンをおいしく保存しよう~
パンシェルジュを目指すために学ぶ基本的な知識を、写真とともにわかりやすく紹介する『パンシェルジュ 基本のキ』。第2回はパンをおいしく保存する方法を紹介します。
自分で作ったものでも、買ってきたものでも、パンは一番おいしい状態で食べたいもの。また、パンを作り過ぎちゃったり、買い過ぎた時には、上手に保存してより長くおいしく味わいたいものです。そこで今回は、パンを食べる時にもパンシェルジュ資格を取得するためにも知っておきたい、パンをおいしく食べるタイミングや切り方、保存方法を一緒に学びましょう。
このパンはいつが食べどき?パンをおいしく食べるタイミング
やっぱりパンは焼き立てが一番!芳醇なバターの香り、パリッ、ふんわりなど、そのパンならではの食感を楽しみたいですよね。そしてなにより温かいパンを食べると、気分もほっこりします。しかし、本当の食べ頃は、パンによってさまざまです。では、私たちの身近にあるパンをもっともおいしく食べるタイミングは、いつなのでしょうか。
フランスパン
パリッと割ったら湯気がふわ~。そんな瞬間が一番おいしそうなイメージがありますが、実は、焼きあがってから約3時間以内、粗熱が取れた頃がおいしく食べることができるタイミングです。ただし、そのおいしさを味わえるのは、焼き上がったその日だけ。次の日は固くなってしまうものが多いので、当日中にまるごと食べ切るのがおすすめです。
食パン
焼き立てが一番おいしいですが、うまくスライスできるようになるのは粗熱が取れてから。特にサンドイッチ用に薄くスライスする時は、1日待つのがおすすめです。“自分で焼いたからアツアツをすぐに”というときは、ちぎって味わうのがいいかも。焼き上がりから3日間ぐらいは食べる分だけ切ってトーストすれば、変わらずそのおいしさを楽しめます。
菓子パン
甘~い香りに誘われる焼き立て「メロンパン」など、すぐにパクッとかじりたくなりますが、生地が甘いものや、クリームなどのフィリング入っているパンは、粗熱が取れた方がおいしく味わえます。デニッシュ系はサクサク感がより楽しめる3時間以内がおすすめ。賞味期限はパンによって違いますが、生クリームやカスタード入りは当日中に食べてください。
おいしく美しく!パンの切り方
フランスパンはもちろんですが、最近は高級系商品の人気やホームベーカリーの普及などで、食パンを家でスライスする人も増えているのではないでしょうか。見た目の美しさだけでなく、味わいも違ってくるので、パンの切り方は大切なもの。それではどんなふうに切れば、パンのおいしさを存分に満喫することができるのでしょうか。
“大きく動かして引きながら”がコツ!
パン切りナイフでも包丁でも、大切なのは刃の長さ。パンの幅よりも長めのものを使いましょう。切る時は刃の水気をよく拭き、力を抜いて引きながら大きく動かすのがコツ。ゴシゴシッと力を入れて小刻みに動かしながら切ると、パンがつぶれて見た目もおいしさもマイナスに。やさしく、でも思い切って一気に切ってください。焼きたてより冷めた頃、食パンなら翌日に切るのがおすすめです。
いろいろな切り方で、もっとパンが楽しめる!
切り方を変えれば、違う楽しみ方ができるのもパンの魅力です。フランスパンは、料理に添えるなら斜め切り、カナッペなら薄い輪切りに。食パンも厚さの違いでトーストやサンドイッチ、パングラタンなども。1本、1斤のパンを好きな形で楽しめるのは、自分で切るからこそ。もっとパンを楽しむため、いろいろな切り方にチャレンジしてみてください。
おいしさを長く楽しみたい!パンの保存方法
フランスパンでも食パンでも、おいしいタイミングに食べ切りたいですが、翌日までに食べることができないときもあるはず。特にひとり暮らしや少人数家族では、1本・1斤をおいしいうちに食べ切ることはなかなか難しいものです。そこで、パン好きなら押さえておきたい、おいしさをできるだけ長く持続させる保存方法を紹介します。
冷蔵より冷凍でおいしさをキープ
“冷蔵庫で保存しても数日は大丈夫なのでは?”と思うかもしれませんが、パンのおいしさを保つ意味では、家庭にある冷蔵庫内は難しい環境。おいしさを保つには、冷凍するのがおすすめです。1個ずつ、1枚ずつ丁寧にラップで包んで、冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫へ。できるだけ早く冷凍し、長くても1ヶ月ぐらいで食べ切ってください。
オーブントースターでおいしくリベイク!
冷凍したパンをおいしく食べるためには、オーブントースターでリベイクするのが一番!食パンなら高めの温度で予熱してから、凍ったまま4分ほど焼けばサクッとふんわり。フランスパンは自然解凍がおすすめ。霧吹きか水道水にサッとくぐらせてからアルミホイルで包み、こちらも予熱してから焼けば、中まで火が通り、皮もサクッと復活します。
冷凍保存に向かないパンの種類もあり
“冷凍がおすすめ”とはいえ、全てのパンが冷凍に向いているわけではありません。フルーツや生クリームを使用した菓子パンのほか、総菜パン、デニッシュ系も風味が損なわれる恐れがあるので、購入した当日に食べ切るようにしてください。フランスパンや食パンも、常温でおいしい期間に食べ切れそうでしたら、ぜひそのまま味わってください。
これも知っておきたい シュトーレンの切り方&保存方法
クリスマスの4週間前の日曜日から作り始めて、毎日少しずつ食べるのが「シュトーレン」ですが、実際にお店で購入すると“開封後はお早めに”と記載している商品も多いもの。毎年“急いで食べなきゃ”と、慌てて食べる方もいるのではないでしょうか。しかし、適切にカットして保存すれば、ゆっくり味わうことができます。そこで、長くおいしく味わうために知っておきたい、シュ-レンの切り方と保存方法を紹介します。
真ん中からカットするのがコツ!
つい端から切っていきたくなりますが、シュトーレンはまず真ん中で切り、そこから端に向かって、必要な分だけカットするのが正しい方法。切り口と切り口を合わせて、くっつけてラップで包んで保存すれば、乾燥してしまうことや、品質が劣るのを防ぐことができるそうです。おいしく食べ続けるために、真ん中からカットするようにしてください。
シュトーレンも冷凍保存ができます!
常温保存もできますが、環境によっては味が劣化したり、カビが生える可能性が大。冷蔵庫でといっても、ほかの食べ物のニオイが付いてしまうことも。賞味期限内に食べ切れそうにない、そんな時は冷凍保存がおすすめです。ほかのパン同様、スライスして1枚ずつラップで包んでから、冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫へ。自然解凍で食べることができます。
第2回はパンをおいしく食べるタイミングや切り方、保存方法を見ていきましたが、いかがでしたか?
今回紹介した方法は、パンシェルジュ検定3級にも登場しますが、最後のひと切れまでパンをおいしく食べるのにきっと役に立つはず。また、今回紹介した保存方法なら、“お店へ行くと、つい買い過ぎちゃう”というパン好きならではのあるある的な悩みも解決できますので、しっかり覚えておきましょう。
次回は「大手パンメーカーを詳しく知ろう」。私たちがスーパーなどで目にする大手パンメーカー各社の歴史や特徴を紹介しますので、こちらもお楽しみに♪
パンの美味しい保存方法などパンの基本が学べる!パンシェルジュ検定
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