初開催の「パントタビスル甲子園」に25店舗が集結。限定の「プレミアムベーカリーセット」購入&会場レポート!
兵庫県西宮市甲子園駅前広場にて、2022年9月10日(土)に初めて開催されたベーカリーイベント「パントタビスル甲子園」。関西・関東・中四国・九州から25もの人気店が集まり、百貨店などで数々のイベント実績を持つパンシェルジュの榎友寿(えのきともひさ)さんが選び抜いたパンが並びました。
当日の最終来場者数はおよそ1万人! 『ぱんてな』ライター・ありまが当日の様子と、会場では出店しない2店が前売りのみ&限定80セットで特別に販売した「プレミアムベーカリーセット」をレポートします!
「パントタビスル」とは
関西随一のパンのプロ・榎友寿さんが「本当においしいパンを伝えたい」という想いから手がけたパンのセレクトショップ。『阪神百貨店梅田本店』の「パンテラス」で、こだわりのパンを日替わりで楽しめる店舗を展開している。
公式SNS: https://www.instagram.com/pantabii/
榎さんの紹介記事はこちら: https://pantena.jp/pankiji/kagayaku_pancierge/225
岡山市内より電車で出発し、現地に到着したのは10時30分。阪神電車・甲子園駅西口を出てすぐの甲子園駅前広場には早くもたくさんのパン好きさんたちが集結し、どのパン屋さんに行こうかと話しながら行列を作っていました。11時になると各店のブースが販売をスタートし、それぞれお目当てを探してうろうろ……。「今日並ぶパンはすべて朝焼き」、とのアナウンスが流れて期待は高まるいっぽう。私もさっそく中に入りたいと思います!
前売りのみ&限定80セットの「プレミアムベーカリーセット」をゲット!
私がもっとも楽しみにしていたのが、当日イベントには出店しない名ベーカリー2店舗が特別に5個ずつのパンを詰め合わせて作った「プレミアムベーカリーセット」。インターネットにて1500円の前売りチケットを購入し、当日に会場で引き換えます。
80セット限定というプレミアムさですが、もちろん筆者は、ばっちり事前にゲットしています!11時の引き換え開始とともにちゃっかり並びました。それでは中身をご紹介します。
■パン処太陽(京都府)
千葉県の名店『Zopf(ツオップ)』をはじめ、12年間にわたり3軒のベーカリーで修行を重ねた近藤真吾さんが2019年京都に開いたお店。国産の小麦と酵母の使い分けに定評があり、デニッシュやブリオッシュ、惣菜系、食パン、バケットなどハード系にいたるまで、毎日幅広いバリエーションのパンを焼き上げています。
塩バターベーグル
季節に合わせて、多種多様な創作ベーグルを生み出しているパン処太陽。なかでも一番売れるのは定番の「塩バター」だそう。ロールパンタイプの塩パンはよく見かけますが、ベーグルはめずらしいかもしれません。トースターで焼き直し、カリッとさせて追いバターをたっぷり。むぎゅっとした歯ごたえのあとにふんわりと芳醇な風味があり、アクセントの塩けとあいまって実においしい!
ヨーグルトライ
サワー種の代わりにヨーグルトを使い、日本人好みに仕上げたライ麦パン。サワー種の特徴である独特のクセや酸味が少ないので、ハード系初心者でも食べやすい味わいです。「どんな料理にも合う」と人気が高く、リピーターに愛されているひと品なんだとか。こちらはスライスしてチーズをのせたり、肉料理のおともにするのもよさそう。もちろんアルコールと一緒に晩酌パンとしても大活躍間違いなし! ころんと丸い見た目も可愛らしいですよね。
■パン処太陽
- 住所
- 〒616-8345 京都府京都市右京区嵯峨折戸町27-9
- 電話番号
- 075-861-1869
- 営業時間
- 7:30 - 18:00
- 定休日
- 火・水曜日
■BouLanger Pain Standard(滋賀県)
九州を代表するベーカリー『パンストック』出身の岡田さんが2021年にオープン。若い店ながら早くも行列&売切れ必至の人気を誇っているのは、素材とおいしさをとことん追求しているから。国産小麦・国産バターを100%使用し、マーガリンやショートニングを排するなど、随所にパンづくりへのこだわりが光ります。
抹茶とホワイトチョコ
自慢のもちもち生地に抹茶をたっぷり練り込み、ホワイトチョコを巻き込んだパン。ビジュアルは鮮やかな緑が美しく、店頭に並んでいたら目を引くだろうなと思わされます。ホワイトチョコならではの濃い甘さと抹茶の苦味、そのバランスが絶妙。食べすすめるにしたがって、少しずつ味の変化が楽しめます。個人的には焼かずにこのまま、あんこを添えて和スイーツのように食べたいですね!
カカオドショコラ
レッドココアを練り込んだ生地にヘーゼルナッツ入り。ランダムに刻んだちょっぴりビターなタブレット状のチョコと甘めのチップチョコ、2種類を加えて、手ごねで成形されています。ごつい見た目とは裏腹に、ふわふわ柔らかく、意外と甘さひかえめで誰もが好きな味だと思いました。袋から出した瞬間にチョコの香りが立ちのぼる、チョコレートが好きな人にはたまらない魅力が詰まったパンです。
アールグレイとホワイトチョコ
こちらのスコーンは、改良を重ねた結果、北海道産の強力粉・キタノカオリを使うことで、もちもち度が格段にアップしたのだとか。食べるときに軽く温めるとアールグレイの香りがいっそう強く感じられ、とろりと柔らかくなったホワイトチョコの甘さも堪能できました。カリッとするほどは温めず、ほんのり、がおすすめです。
■BouLanger Pain Standard(ブーランジェ パンスタンダード)」
- 住所
- 〒523-0012 滋賀県近江八幡市武佐町493-7
- 電話番号
- 0748-36-3152
- 営業時間
- 10:00 - 17:00
- 定休日
- 月曜日、隔週火曜日
- https://www.instagram.com/painsta1111/
出店ブースより、ライターおすすめの3軒をピックアップしてご紹介!
■ブーランジェリー・フリアンド
(兵庫県)
まず兵庫県西宮市より、『ブーランジェリー・フリアンド』をチェック。こちらはパン激戦区でもある地元夙川・苦楽園エリアにて、絶大な人気を誇るベーカリーです。国際製パンコンクール「モンディアル・デュ・パン」に日本代表として出場し、優勝を果たした谷口佳典さんがシェフを務める実力店。複数の自然酵母を使い分け、パンに合わせて小麦粉をブレンドすることで生み出す豊かな風味が持ち味です。
並んでいたのは、バラエティに富んだパンの数々。なかでも菓子パンのキュートさが目を引き、どれもお手頃なのに大きめサイズで食べごたえがありそう! 訪れるお客さんたちみんな、トレーにこれでもかとたくさん持っていたのが印象的でした。
■パトリエ フクモリ(大阪府)
次は大阪府豊中市にある、『パトリエ フクモリ』へ。「明太子フランス」の生みの親ともいわれ、関西のパン業界をリードする巨匠・福盛幸一さんが営んでいます。もちもちした食感が味わえる湯種製法を駆使して作り上げるパンは、惣菜系からスイーツ系、天然酵母までバラエティ豊かにラインナップ。「おいしく・体によく・誰にでも愛される」を目指したパンづくりが魅力です。
看板商品は「くるみりんご」。天然酵母のパンにたっぷりのクルミと甘いりんごを混ぜ込み、香ばしさのあとに追いかけてくるパン生地のもっちり感が絶妙だそう。山積みになってはいましたが、次々と買い求めるお客さんが訪れて売れまくりでした。そろそろお腹の減ったライターは、その横にあった「塩パンと粗挽きソーセージ」にも誘惑されてしまいました。
■タルマーリー(鳥取県)
いかにも筆者好みのハードパンが並ぶ、鳥取の『タルマーリー』も要チェック。野生の菌を自家培養して発酵させたものを使用しているため、酵母の持つ甘みや酸味が感じられます。地域でとれた原料や天然水を選び、地域内循環を実現することで、「今ここで、タルマーリーにしか作れないパン」にこだわっているそう。
こちらは12時からの販売ということで、到着を待ちきれない人たちでテント周辺はいっぱい。並べられたパンは自慢のハード系中心で、どれも粉の風味がしっかりしそう。ホール売りが多かったものの、みなさん大人買いされていました。
そのほか「カレーパングランプリ2022」で名物のカレーパン2種類がW受賞に輝いた『BAKERY&CAFE GAUDI(ベーカリー&カフェ ガウディ)』や無添加・天然酵母のパンを扱う和歌山県の『MAISON FLEURIR(メゾン フルリール)』、テレビで紹介され話題となった「ぱあとのくりーむぱん」で知られる『R.NOGUCHI(アールノグチ)』など25店ものベーカリーが並び、どこも行列がブースを取り囲む盛況ぶり! 昼すぎには売切れ間近の店も続出していたようです。筆者も紹介した以外にもいっぱいパンを購入し、思わずホクホク顔になっちゃいました。
あの名シェフも出品!?「チャリティーパンオークション」に注目。
特設のステージではアーティストやお笑い芸人によるライブなども行われ、イベントを華やかに盛り上げていました。なかでも注目は、司会を務める榎さんが解説しながら「限定出品のパン」や「一流シェフのパン教室体験」を販売する「チャリティーパンオークション」。めったに食べられないパン、体験できないレアな内容に参加者も思わず白熱! 国際パンコンクール「モンディアル・デュ・パン」での優勝経験を持つ『ブーランジェリー・フリアンド』の谷口シェフがマンツーマンでレクチャーしてくれるなんて、そうそう経験できることじゃありませんよね。落札できた人がうらやましい~!
ほかにも「日本一のガレット・デ・ロワ」や「巨大ロデヴ」など、気になる出品がたくさん。トータルの落札価格は1万5500円になったのだとか。なお、売り上げの一部は大阪府和泉市の子ども食堂「てらこやハッピー」に寄付されるそうです。
まだまだおいしいグルメ、楽しい催しがいっぱいの一日。
会場内にずらりと並んだキッチンカー&物販店は、アジア料理からコーヒーショップまで全部で7ブース。各店お得意のオリジナルメニューに加え、ベーカリーとのコラボメニューを提供する店も出店されていました!ここでもパンシェルジュ・榎さんがセレクトしたパンにひと手間かけた特別メニューやマリアージュさせたいドリンクなどがそろい、来場者を楽しませていました。
新たなパンと出会い、多彩な方向からワンランク上のパンの味わい方を知ることができた「パントタビスル甲子園」。会場のパン好きさんたちも、みんなそれぞれにパンの世界を満喫している様子でした。「パントタビスル」が手がけるパンイベントは今後も随時開催されるようなので、これからも要注目ですね!
WRITER
ありま しょうこ
パンシェルジュ3・2・1級のほか、パンプロフェッショナル・パンスペシャリスト・手作りパンソムリエ・ベーカリーパティシエ・カレーパンタジスタの資格も取得。
このたび、ずっと夢だった『パンの本』の創刊編集長に就任。
『WEBタウン情報おかやま』では、岡山のパン屋さんを紹介する企画『パンのとりこ』を連載。
★日刊WEBタウン情報おかやま
https://tjokayama.jp/
★パンのとりこ
https://tjokayama.jp/section/series/pantoriko/
https://tjokayama.jp/section/series/pantoriko2/
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