宮城の名店「さいち」と「パンセ」がコラボ。パンとあんこのマリアージュを目指す第3回開発会議をレポート!
パン愛が止まらないパンシェルジュたちが、人気ベーカリーとひとつのパンを作り上げる「パン開発プロジェクト」の第5弾。宮城県仙台のパン屋さん「石窯パン工房Pensee」(パンセ)と、おはぎが有名な地元のスーパー「主婦の店 さいち」がコラボしたパンを開発しています。いよいよ最終回の第3回オンライン会議。一体どんなパンが販売されることになるのでしょうか?
1度目とも2度目とも全く違う! 3度目の試作パン到着
3度目の試作パンが開発メンバーに届いたのは、第3回オンライン会議の前々日または前日のこと。2度目の試作とはずいぶんと違うパンばかりです。
第3回オンライン会議が始まると、「パンセ」で試作を担当した佐藤シェフが試作品について説明してくれました。
「これまでは生地に米粉を使いましたが、今回から宮城県産小麦をメインにした生地に変更しました。内訳は、『パンセ』でいちばん人気がある「塩パン」と同じソフトフランス生地にあんこを巻き込んだパンが2つ。『さいち』のあんこをメインにしたパンが2つ。そして今回一緒に送った塩パンを2つ加えて、全部で6つ入りという計画です」(佐藤シェフ)
米粉を使った生地から小麦のパンに変更したことで、日持ちがよくなりました。このため、冷蔵便を利用した発送を常温に変更。
開発メンバーからは、「これまで感じなかったパンの香りがしてよかった」「味も形もまとまってきた。このままでもいい」などと意見が寄せられました。しかし、一部のパンについて「改良の余地がありそう」という意見も。
「パンセ」が得意なソフトフランス生地で「さいち」のあんこを巻き込んだ2種類
それぞれのパンについて、味や形について意見を交換しました。
まず「パンセ」のソフトフランス生地にあんこを巻き込んだパン2種類から。「マーブル状で、包み込んでいるパンと差別化できていていい」「食べやすかった」と好意的なコメントが寄せられました。
2つのあんこを巻き込んだパンのうち、栗がのったパンは特に高評価。「栗がごろっと入っていて満足感がありました」というコメントも。
そして同じくあんこを巻き込んで、クロワッサンのように成形したパンについて。求肥も一緒に巻き込んでいますが、どうやら「パンセ」の佐藤シェフは、この求肥に苦労した様子。
開発メンバーも「求肥らしいもちっとした食感があまり感じられなかった」「求肥が入っていたとはわからなかった」という感想が聞かれました。確かに外見から求肥が入っているとは、ちょっと分かりません。
あんこと求肥は間違いない組み合わせであるものの、求肥をパンに巻き込むという成形方法には、改善の余地があるようです。
求肥の代わりにジャム、くるみ、仙台いちごを入れては?というアイデアも出ました。またこちらのパンは形が配送の間に崩れてしまっていたという報告も。
求肥の代わりに何か別のものを入れるかどうか、また配送中に形が崩れないようになど、開発メンバーの意見を取り入れながら、「パンセ」と事務局とで相談することになりました。
『さいち』のあんこをメインにしたパン
そしてパン生地で「さいち」のあんこを包み込んだパン、2種類について。こちらも生地は前回と異なり、ひとつはココア生地が練り込まれています。
まず白い方のパン。第1回の開発会議で「あんことマスカルポーネの相性がいい」という意見を参考に、あんことマスカルポーネを包み込んでいます。しかし「パンセ」の佐藤さん曰く、「マスカルポーネはクリームチーズより水分が多くて、焼くと流れ出てしまうことがある」と、こちらも苦労している様子。
やはり「2回目の試作よりマスカルポーネを感じなかった」という開発メンバーの意見がありました。中からマスカルポーネが流れ出てしまったせいかもしれません。
佐藤さんは「あんこでマスカルポーネを挟むようにしたらいいかもしれませんが、そうすると断面が……」と断面映えを意識。
また、見た目と食感のアクセントとして、ワッフルシュガーがトッピングされています。「気づかなかった」という声もあれば、仙台在住の参加者から「ワッフルシュガーが付いていると分かりました」という声も。輸送の時間や、もしかすると温度などとも関係がありそうです。
「トッピングなら黒ゴマかケシの実という手もありますね」「ジャムはどうですか?」という意見も開発メンバーから飛び出しました。最終版には改良が加えられることになりそうです。
そしてもうひとつがチョコレートのパン。2度目の試作でもかなり好評だったチョコレートとあんこの組み合わせです。
生地にココアが練り込まれて外見もチョコレート色に。トッピングにもチョコレートが加わって好評です。しかし「前回の試作と比べて、あんこよりチョコレートの味のほうが強く感じた」「もっとたくさんあんこが入っていてほしい」という意見も。
「パンセ」の佐藤さんによるとあんこの量は前回から変更していません。ただし、パン生地が前回よりふっくらした生地になったことによって、バランスが変わってしまったようです。
「パンセ」の人気No.1「塩バターパン」もセットに
そして「パンセ」の塩バターパン。販売時には2個という前提で、今回開発メンバーには1個届きました。「初めて食べたがすごいおいしかった。焼き立てを食べにお店に行きたい」と絶賛する声があり、「パンセ」の佐藤シェフも嬉しそう。
すると、「『塩バターパン』2個ではなく、もう1種類『パンセ』のパンをつけてはどうでしょう?」という声が出てきました。おいしい「塩バターパン」を食べたら、もっといろんな「パンセ」のパンが食べたくなる開発メンバーの気持ちもわかりますが、さまざまな意見や希望が出て「パンセ」の佐藤シェフと星さんが頭を抱える場面も。
しかし佐藤シェフから「今回のパンは開発メンバーのみなさんと我々、みんなで作っているとアピールしたいと私も思っています。だから、がんばります」と前向きなコメントがありました。
たくさんの意見が交換された第3回オンライン会議もお開きに。いくつか改善したいポイントが残り、「パンセ」の星さんと佐藤シェフ、そして事務局との間で最終調整が行われることになりました。その結果が開発メンバーに共有される予定です。
宮城の名店「さいち」と「パンセ」のおいしいあんことパンを組み合わせたパンセット。販売まであと少しです。最終的などんなパンが揃うのでしょうか!? どうぞお楽しみに。
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