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千葉県・市川市『BAKER’S PLACE』「パンのフェス 2022春 in 横浜赤レンガ」初出店パン屋さんリポート
パンやの夜明け

千葉県・市川市『BAKER’S PLACE』「パンのフェス 2022春 in 横浜赤レンガ」初出店パン屋さんリポート

辻 美穂
辻 美穂

2016年に初開催して以来、延べ100万人以上が来場している日本最大級のパンイベント「パンのフェス2022春 in 横浜赤レンガ」が、2022年3月11日(金)~13日(日)まで開催されます。それに先がけて、「ぱんてな」では初出店のパン屋さんを紹介します。

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今回は、千葉県市川市にある「BAKER’S PLACE」のオーナーシェフ・番匠賀夫(ばんしょうまさお)さんに、「パンのフェス」への意気込みや、フェスでのおすすめ商品などを伺いました。

パンのフェス

外観はアイリッシュパブをイメージしたデザインですが、店内は“パン職人がいる場所”という名の通り、番匠シェフが焼き上げる80種以上のパンがズラリ。

「BAKER'S PLACE」について教えてください。

千葉の行徳で2007年にオープンした、ソフト系からハード系まで幅広く揃えたパン屋です。神戸の老舗ドイツパン屋などで修業したことを活かして、1日おきにドイツパンと全粒粉パンもご用意しています。

独立する前は、「横浜ロイヤルパークホテル」で11年ほど働いていましたので、「パンのフェス」開催場所である横浜赤レンガ倉庫は、個人的に思い入れのあるエリアです。

「パンのフェス」は日本最大級のイベントということで、お客様が自分の作るパンに、どのような反応をされるのか、楽しみです。また、全国から有名店が集まりますので、さまざまな視点から勉強させていただきたいと思っています。

パンのフェス

“独立してから15年。自分のパンがどのくらい成長したか見てもらいたいという思いもあり、ホテルのみなさんにも声をかける予定です”と番匠さん。

商品の特徴や、素材について教えてください。

基本のレシピをベースにしながら、型にとらわれないパンというのが、うちの商品の特徴です。1日にだいたい80種から100種ぐらい焼いていますが、同じパンでも素材を変えたりしながら、少しずつ進化させていったりもしています。

また、地元のご縁もあり、良質な素材を使えるのも当店の特徴だと思います。減農薬野菜を届けてくれる農家さんや、完熟いちごを当店専用に用意してくださるいちご農家さんなど、周囲の方々が支えてくださるぶん、さまざまなパンづくりにチャレンジできています。

「パンのフェス」で販売する商品で“これは食べてほしい”というおすすめを教えてください。

パンのフェスアワードにエントリーしている、当店定番の商品「グラハムトースト」です。私が修業していたドイツパン屋さんに100年前から伝わるレシピをベースにしています。通常は外国産小麦を使用していますが、今回は「パンのフェス」限定で、国産の小麦粉と全粒粉を使ったものを販売します。

私には製粉会社で社長を務める同級生がおり、相談すると、すぐに北海道・十勝産の小麦粉と全粒粉を持ってきてくれました。これがとても良質で、全粒粉特有の小麦臭さもなく、味も香りもよく仕上げることができました。

パンのフェス

パンのフェス限定「グラハムトースト」(半斤200円)は、ほぼフランスパンと同じ材料で作るパン。シンプルだからこそ、国産小麦のおいしさをより楽しむことができます。

僕は、トーストした方がパンはおいしいと思っているのですが、「グラハムトースト」はまさにトーストするために作ったパン。表面がガリガリッと香ばしくなって、中がもちもちになっておいしいですよ。

パンのフェス

「ニンジンとほうれん草の食パン」(半斤200円)は、とってもカラフル。もちもちっとした食感になるトーストや、サンドイッチで食べるのもおすすめだそう。いちごと生クリームをサンドすると、おいしくてさらに華やかに。

「ニンジンとほうれん草の食パン」もおすすめです。毎年冬になると、先ほどお話した農家さんから、減農薬で作ったにんじんとほうれん草が送られてきます。これが、糖度が高くおいしいんですよ。せっかくなので、より多くの人に食べてもらいたいと、作りました。

野菜はペーストにして練り込みました。特に、ほうれん草は素材そのものの味が強く感じられます。そんなパンなのにもかかわらず、“これなら子どもも食べるから”と買いに来てくださる方も多いんです。僕が子どもの頃なんて、野菜を食べたいなんて思ったこともなかったのに、嬉しい話ですよね。

パンのフェス

「ショコラオレンジサークル」(550円)はボリューミーなパン。チョコとオレンジのハーモニーが楽しめます。

もうひとつ、「パンのフェス」限定でご用意するのが、「ショコラサークル」のオレンジ。クロワッサンやデニッシュのような折り込み生地の中に、チョコレートクリームとオレンジピールを巻き込んだものです。ふだん店舗で販売しているものは、オレンジピールではなくアーモンドを入れておりますので、「パンのフェス」ではこちらも味わってみてください。

ほかに、「ガレット・デ・ロワ」やグラハムトーストの生地で作った「ミルクロール」、「ラムレーズン」など、10種類ぐらい販売する予定です。精一杯努力して、よいものを作って並べますので、ぜひお越しください。

番匠さんのパンづくりへの思いを伺えますか?

“こだわりを持たない”が、こだわりです。例えば“フランスパンはこうだよね”というこだわりを持ってしまうと、そこから抜け出せなくなる気がしまして。そんなボーダーラインを持ちたくないんです。

もちろん、材料も自分が使える範囲内でベストなものを使いますし、安心安全なものは当たり前ですが、せっかく自分でお店を持ってやってるので、いろいろなものに挑戦したいと思っています。まずは基本のレシピ通り作りますけど、それからどう変えてくかというのが楽しいです。そうでないとパンづくりが、仕事ではなく、ただの作業になってしまうと思っています。

パンのフェス

ホテル勤務時代に上司から“いつでもベストなパンを提供しなければならない”ということを教わったそう。結婚披露宴などで提供するパンは、お客様にとって一生に一度しか食べないものかもしれない。だからこそ、日常業務の一環ではなく、常に職人の仕事として作らなければならないという、番匠シェフ。

ただ、新しいパンを開発した時は、一緒に働く妻やスタッフたちに、必ず試食してもらいます。なんといってもうちの看板は彼女たちですし、彼女たちがお客さまに“おいしいですよ”と勧められないものは店に出せないですから。味の着地点がわからなくなった時も、厳しくジャッジしてもらっています(笑)。みんなには、本当に感謝しかありませんね。

パンのフェス

商品づくりには、お客様の声もできるだけ反映しているそう。季節商品でも、要望があれば期間終了後に販売を始めることも。

—-

本場ドイツパンを進化させた「パンのフェス」限定パンも楽しみな「BAKER’S PLACE」。12日のみの出店ですので、お見逃しなく!

まだまだ初出店のお店紹介は続きます!おでかけ前にチェックして、「パンのフェス2022春 in 横浜赤レンガ」をより楽しんでください。

BAKER'S PLACE

■店舗情報

所在地
市川市新浜1-1-1 1F
電話
047-399-8883
営業時間
9:30~19:00
定休日
火曜、第3水曜※不定休あり

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WRITER

辻 美穂

辻 美穂

とにかく食べること、飲むことが好きで、異業種から食の業界へ転職をとフードコーディネーターの学校へ。複数の調理現場でバイトしたあと、菓子とパンの会社で商品企画の仕事に就く。自社パンのおいしい食べ方をあれこれ試しているうちにパンの魅力にハマり、その後ライター活動を始めてからも、そして活動拠点を福岡に移した2013年以降も、仕事のついでに気になるパン屋へ立ち寄り、新たなパンとの出合いを求め続けている。最近気になるのは、自分の体重と屋根で勝手に居候するスズメたちのこと。

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