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【Vol.1】目指せ、第2の看板商品!栃木の名産「とちおとめ」を使ったおいしいパン開発へ。
開発プロジェクト

【Vol.1】目指せ、第2の看板商品!栃木の名産「とちおとめ」を使ったおいしいパン開発へ。

野崎 さおり
野崎 さおり

「パン開発プロジェクト」は、パン愛が止まらないパンシェルジュたちが、人気ベーカリーとひとつのパンを作り上げるプロジェクトです。今回はその第二弾!栃木県の名産いちご「とちおとめ」を使った「とちおとめブレッド」を開発します。「ブルーベリーブレッド」が人気の「ベーカリー ペニーレイン」、「全農とちぎ」の協力を得て行った第1回商品開発会議の模様をレポートします。

シュトーレンに続け!スペシャルな「とちおとめブレッド」開発スタート。

「パン開発プロジェクト第1弾 シュトーレン」は好評のうちに終了し、第2弾となる今回は「とちおとめブレッド」を開発します。

「ベーカリー ペニーレイン」の看板商品「ブルーベリーブレッド」

開発メンバーと「とちおとめブレッド」の開発に取り組むのは、栃木県内を中心に5つのベーカリーを持つ「ベーカリー ペニーレイン」。「パンのフェス in 横浜赤レンガ」でも毎回長蛇の列ができる人気店です。その「ベーカリー ペニーレイン」の看板商品「ブルーベリーブレッド」も、ECショップでは半年待ちになるほど。

10人の開発メンバーは初顔合わせ

多数の応募の中から選ばれた10名のパンシェルジュは、1級が4人、2級が2人、3級が4人。年齢層も様々で、積極的にパン活の模様をSNS等でも情報発信をしている人も。

「とちおとめブレッド」は「都道府県魅力度ランキング」47位の栃木県の新たな光となるか?

「とちおとめブレッド」の開発は「JA全農とちぎ」が全面協力。第1回の開発会議となる今回は「JA全農とちぎ」の菅原 彩香さんが「とちおとめ」と栃木で生産されているいろいろな種類のいちごについて説明してくれました。

「とちおとめ」は国内で最も多く栽培されるいちごの品種で、甘さの中に適度な酸味を感じるのが特徴。鮮やかな赤色や断面の美しさも、たくさんの人から愛されるポイントです。

「都道府県魅力度ランキング」という調査で47位だと「全農とちぎ」の菅原さんも少し恥ずかしそうに話す栃木県ですが、いちご収穫量日本一は半世紀以上という驚愕の記録を更新中なのだとか。「とちおとめ」以外にも「スカイベリー」「なつおとめ」など、おいしいいちごが栽培されています。

開発メンバーには、開発会議を前に「全農とちぎ」から「とちおとめブレッド」に使われる「とちおとめ」が届けられました。菅原さんが「召し上がっていただけましたか?」と呼びかけると、「おいしさに驚きました」「『とちおとめブレッド』に生かしたいですね」と開発メンバーも「とちおとめ」のおいしさにプロジェクトへの熱意も増したようです。

「とちおとめブレッド」の試作品は15回も試作を重ねてから開発メンバーの元へ。

「ベーカリー ペニーレイン」の総括シェフ、坪山稔和さん

「とちおとめブレッド」の制作を担うのは「ベーカリー ペニーレイン」の総括シェフ、坪山稔和さんです。自己紹介では「全力を出して、みなさんといい商品を作りたい」と意気込みも語ってくれました。

プロジェクトメンバーにはすでに「とちおとめブレッド」の試作品が届けられています。坪山シェフはプロジェクトメンバーへの試作品までに、なんと15回も試作を繰り返したといいます。

坪山シェフは配合についても詳しく説明してくれ、パン作りをする人もいるパンシェルジュたちも興味津々。

例えば生地には「とちおとめ」のピューレとフレッシュの「とちおとめ」を煮詰めたコンフィチュールを練り込んでいます。色合いをよくするため、マカロンなどに使われるいちごのシロップを少し添加。ほどよくかわいいピンク色に仕上がっています。

「今回は卵や生クリームなど、副材料も加えてパンのリッチさを引き立てました。いちごの色合いやジャムもイメージに近づけました」と坪内シェフ。一方で「生のいちごの扱いが難しい」とも。何度か自家製ジャムを試したものの、焼成中に熱によって流れ出てしまったり、生地の空洞が大きくなってしまったりと苦戦した様子も話してくれました。ジャムは専門のメーカーによる耐熱性のとちおとめジャムが使っています。

しっとり感は高評価! どこかで食べたことがある感じという意見も。

プロジェクトメンバーからは、「生地がしっとりしておいしい」「カットしたときの渦巻きがかわいい!」「幅広い年代に好かれそう」などと好意的な感想も。ところが「空洞が気になる」「とちおとめの酸味をもっと生かしてほしい」「どこかで食べたことがある印象」と厳しい意見も集まりました。「クリームチーズを塗ったら、いちごが引き立ちました」というメンバーの意見には、坪山シェフも「おっ」という表情に。

開発メンバーの多くが気になったという空洞。その原因は、渦巻き状にした生地に巻き込んだいちごジャムの重さです。「渦巻き上という形を考え直しては?」という意見も聞こえました。なにより「とちおとめ」の味わいを引き出すためにはどうしたらいいのか、次の試作の方向性がなかなかまとまりません。

そして、会議の空気を変えたのは「『ブルーベリーブレッド』のとちおとめバージョンを作りたいのですか?」というひとこと。そのひとことに議論はさらに迷い道に入りました。

ジャム、生地、そして渦巻き。「とちおとめ」の風味はもっと出せるのか。

一度はパンの形状を変更する方向に傾きかけましたが「渦巻きはかわいいし、写真映えする」「ブルーベリーブレッドあってのこのプロジェクトでは?」と現在の渦巻き状のローフを希望する意見が多数を占めました。「とちおとめ」の旬やプロジェクトのスケジュールを考えるとあまり時間がありません。販売方法や製造環境など、他にも制約があります。

そこでジャムを改良するか、生地を改良するか、どちらかに絞ってプロジェクトを間に合わせようと多数決を取りました。その結果、ジャムを別のものにするか、手を加えるかして「とちおとめ」の酸味を引き出してほしい。それがメンバーから坪山シェフへのお願いとなりました。

最後に坪山シェフがひと言。「クリームチーズを合わせた試作もして、次回は2本皆さんにお届けします」。

次回の試作品が届くのが待ちきれないというメンバーの表情で商品会議が終わりました。さて、「とちおとめブレッド」の行方はいかに?


左上:pasuque_uさん(@pasuque_u) 右上:atelierplatine123さん(@atelierplatine123)
左下:kikuchireekoさん(@kikuchireeko)

WRITER

野崎 さおり

野崎 さおり

ライター。2017年パンシェルジュ検定2級合格。カンパーニュなどのハード系とクロワッサンが好き。旅の目的にはパン屋さん巡りとローカルフードの実食を必ず入れ、旅が「パンの仕入れ」になっていると揶揄されることもしばしば。早起きが苦手なのがパン好きとしての最大の弱点。

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