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【Vol.2】ゴールはどこに?またしても混迷!「とちおとめブレッド」第2回開発会議
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【Vol.2】ゴールはどこに?またしても混迷!「とちおとめブレッド」第2回開発会議

野崎 さおり
野崎 さおり

パンを愛してやまないパンシェルジュたちが、人気ベーカリーとひとつのパンを作り上げる「パン開発プロジェクト」。第二弾は「JA全農とちぎ」の協力のもと、栃木県の名産いちご「とちおとめ」を使った「とちおとめブレッド」を「ベーカリー ペニーレイン」と作っています。第2回会議を前に開発メンバーには試作品が2つ届きました。第1回会議で出た意見は、うまく反映されていたのでしょうか?

前回より濃厚なジャムに変更して「とちおとめ」感アップ!

第1回の会議で開発メンバーから「ベーカリー ペニーレイン」の坪山稔和シェフへのお願いは、酸味のある「とちおとめ」のおいしさを引き出してほしいということ。

「ベーカリー ペニーレイン」鶴田店から会議に参加する坪山シェフ

最初に坪山シェフから、試作した2種類のパンについて変更したポイントを説明してもらいました。

まず、生地は卵の量を変更して、加水率を上げることでしっとり感を向上。ジャムは前回より「とちおとめ」の酸味と甘さが際立つ濃厚なジャムがあったので、そちらを使用。さらにそのジャムに、生のいちごから作ったコンフィチュールの果肉をジャムに混ぜ、ジャムに食感と酸味をプラスするという贅沢な作りに。

「とちおとめ」ジャムだけを巻き込んだパン
「とちおとめ」ジャムとクリームチーズを巻き込んだパン

試作品2本のうち、1本はジャムに加えてクリームチーズが巻き込まれています。ジャムだけを巻き込んだ方は1本あたりのジャムの使用量が110g。もう一方はジャムが80g、クリームチーズが30gというバランスです。

第2回試作はどちらも高評価。開発メンバーの選択はジャムだけを巻き込むパンに

開発メンバーからは「生地がふわふわでおいしい」「『とちおとめ』感が増している」「味も改善されている」と高評価。特にジャムだけを巻き込んだ方については「このままで商品化してもいいのでは?」と完成度の高さを喜ぶ声もありました。

ジャムとクリームチーズ、両方を巻き込んだパンについては「やわらかい印象」「味はこちらが好み」という意見も出てきました。しかし「とちおとめ」を強調するなら、やはりジャムだけの方がいい、という意見が多数を占めました。

そして今回の開発プロジェクトでは、「とちおとめ」を巻き込むのはジャムだけがいいだろうと方向性が決まりました。ジャムとクリームチーズのパンも、「これはこれで商品化してもいいほどおいしい」と残念がる声もありました。

“映え”も求められる時代。シンプルに「とちおとめ」のジャムを巻き込んだパンをアピールするには?

今回の開発プロジェクトは、「ベーカリー ペニーレイン」の看板商品「ブルーベリーブレッド」の存在あってのもの。第1回会議の結果を受けて、「とちおとめ」が十分に味わえるパンとして、坪山シェフがほとんど仕上げてくれています。一方で、この開発プロジェクトが目指す最大のゴールは、パンシェルジュの代表でもある「開発メンバー」が、ベーカリーと一緒においしいパンを作ること。もう一方で、パンシェルジュによって特別な要素が加わった部分もあってほしい。そんな気持ちが開発メンバーにもあります。

さらに通信販売という販売方法の制限もあって、実物を見て、香りを嗅いで購入を決めるわけにもいきません。SNSで活躍している開発メンバーを中心に、写真映えも気になるという声も出始めました。

もちろん、関わった商品をたくさんの人に食べてもらいたいと思うのも当然です。その希望を叶えるには今のままではなにかが足りないのではないかという、不安が開発メンバーの中にも広がりました。

おいしいパンがたくさんの人に届くために、あとひと工夫。

すると「パッケージにこだわってはどうか」「ストロベリーシュガーでお化粧しては?」「ピスタチオのペーストを使ったらどうでしょう?」などと多くのアイデアが出ました。一方で、「甘みを足しすぎて、今の『とちおとめ』感を損なわないようにしたい」「もう少し空洞を小さくできないか」という意見も。

食感や風味をプラスするために、「ドライの『とちおとめ』を加えてみては?」という声も聞こえてきました。

次回の第3回会議が最終回。それまでに坪山シェフはまた試作に取り組みます。空洞はどうなるのか、そして見た目は? 開発メンバーの意見からどの要素が取り入れられてどんな形で反映されるのか、期待と不安が入り混じって、第2回の開発会議は終了となりました。

WRITER

野崎 さおり

野崎 さおり

ライター。2017年パンシェルジュ検定2級合格。カンパーニュなどのハード系とクロワッサンが好き。旅の目的にはパン屋さん巡りとローカルフードの実食を必ず入れ、旅が「パンの仕入れ」になっていると揶揄されることもしばしば。早起きが苦手なのがパン好きとしての最大の弱点。

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