【Vol.1】パンシェルジュたちの熱意が集結! 究極のシュトーレン開発がスタート
初の試み!パンシェルジュが“究極のパン”を目指して商品開発にチャレンジ
パンシェルジュとは、パンの製法・器具・材料の知識はもちろん、歴史・いろいろな国のパンや衛生に関する知識・マナーなどを熟知した、いわば“パンのプロ”。“プロ”と聞くとどこか堅苦しいけれど、パンを研究しこよなく愛する、純粋なパンラバーたちなのです。そんな、“パンのプロ”ならではの意見やこだわりを取り入れた“理想”のパンが作れたら、きっとそれはパン好きにとっての“究極”のパンになるはず……!そんな想いから、パンシェルジュとベーカリーでひとつのパンを作り上げる「究極のパン開発プロジェクト」を立ち上げました。
本企画の第1弾はクリスマスのパン、「シュトーレン」です。パンシェルジュ(※)を対象にプロジェクトメンバーを募集。多数の応募から厳選されたパンシェルジュメンバーが揃った第1回のオンラインミーティングが開催されました。さて、どんなミーティングになったのでしょうか?その様子をレポートします。
※パンシェルジュとは、パンシェルジュ検定の合格者のことです。
多数の応募から10名の熱いメンバーが参加。
パンシェルジュを対象として「究極のパン開発」プロジェクトメンバーを募ったところ、全国からたくさんの人が参加したいと手を挙げてくださいました。
参加が決まったパンシェルジュは1級合格者3名、2級合格者6名、3級合格者1名の合計10名。パンの商品開発やパン教室の先生など、パンを仕事にしている人もいれば、パン仲間とパン会を開催したり、SNSでお気に入りのパンの情報を熱心に発信している人など、顔ぶれも様々です。
パンとシュトーレンを愛する10名のアイデアや思いを受け取って、商品を一緒に開発してくれるのは、東京・白金にあるホテル八芳園BLUE TREEのシェフ・青木健文さんと、企画担当の窪田理恵子さん。
青木シェフと窪田さんはBLUE TREEのシグネチャー商品「Nipponのクロワッサン」を開発したふたり。ふたりが作ったクロワッサンはプロジェクトメンバーの中にもファンがいるほど好評です。
パンへの強い思いを持つこの12名を中心に、ぱんてな 事務局らが加わって、どんな「究極」のシュトーレンが作られるのでしょうか!
究極のシュトーレンは大きい?小さい?
今回は第1回目のミーティングということで、奇譚なくアイデアや要望を話し合いました。
まずは大きさの話。そこからどんな人にどんなシーンでシュトーレンを食べてもらいたいか?という話につながっていきました。
特に2020年は新型コロナの影響で、たくさんの人が集まるパーティーを開くのが難しい状況。大きなシュトーレンより、ひとりで食べ切れる小さなシュトーレンがいいという意見も出ました。確かにシュトーレンを初めて食べる人やひとり暮らしの人には、小さいほうが手が出しやすいかもしれません。
一方、大きなサイズを勧める派も。シュトーレンは、クリスマスを待つ間に少しずつ、熟成が進んだ味の変化するのを感じながら食べるもの。そんな食文化も紹介したいという意見には、参加者の多くが納得していました。
プレゼントとして誰かに送ることもあるシュトーレン。大きさについて今回は結論が出ませんでした。大きさがどうなるのかは今後のお楽しみです。
「究極のシュートレン」に入れたい具材とは?
そして次に話し合いのテーマとなったのは、シュトーレンの中に何を入れたいかということ。定番はレーズン、そしてアーモンドなど。
ここで、青木シェフから一言。「BLUE TREEは国産素材・無添加がこだわりです」。それに反応したプロジェクトメンバーから様々な意見が出ました。
「和のイメージがある八芳園さんとのプロジェクトなので、日本の素材を使ってはどうでしょうか?」
「日本人が食べておいしい究極のシュトーレンを目指すといいですね」
「柿は古来から『柿が赤くなると医者が青くなる』という言い伝えがあります。今年の状況にぴったりでは?」
プロジェクトメンバーの意見によって、りんごやゆず、柿といった果物や和栗、落花生といった日本で馴染みの深いフルーツやナッツ類を使ってはどうかという方向性が定まりました。
青木シェフは世の中にないものを試作することに!
そしてその後、開発メンバーを慌てさせたのが、「マジパン問題」です。シュトーレンの中にローマジパンを入れるか入れないかはシュトーレンを特徴付ける大きな要素です。マジパンのありなしはお店によっても、かつ人によって好き嫌いも分かれるところで、なによりマジパンの原料となるアーモンドは、日本では生産されていません。今回のシュトーレンは日本の素材だけで作ることは既に決定済みです。
話し合いの結果、青木シェフは試作で今までに例のないチャレンジをすることになりました。それは日本でも生産されている、ある食材でマジパンに近いペーストを作って、それをシュトーレンに入れてみるというもの。
これが実現すると、もしかすると世界初のおいしさが生まれるかもしれません。プロジェクトメンバーの顔が一斉に明るくなりました。ただし、逆に全くうまくいかない可能性も大いにありえます。さて、青木シェフのチャレンジはいかに?
第1回ミーティングは予想をはるかに超える盛り上がりを見せ、プロジェクトメンバーが考える「究極のシュトレン」のイメージを共有することができました。
第2回のミーティングでは、青木シェフが試作したシュトーレンがメンバーのもとに届き、皆で一斉に試食するところからスタートする予定です。どんな感想や意見が飛び交うことになるでしょうか。どうぞお楽しみに。
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