【Vol.3】妥協なき食感の追求にドラマあり!究極のシュトーレン開発2度目の試食
パンシェルジュを対象にプロジェクトメンバーを募った「究極のパン開発プロジェクト第1弾 シュトーレン開発プロジェクト」の第3回オンライン会議。前回メンバーから出た意見をもとに、八芳園BLUE TREEの青木シェフが2度目の試作品を作ってくれました。この第3回オンライン会議で究極のシュトーレンは完成、プロジェクトも完了となるでしょうか?
2度目の試作シュトーレンは、くるみの食感とゆずの風味がポイント
メンバーがシュトーレンの試食を待つなか、前回同様まずは青木シェフからの説明です。2度目の試作での改良ポイントを話してくれました。
「栗をメインと感じられるように工夫しました。くるみとゆずを少しだけ増やして、みかんとさつまいもは除外、新たに酸味のあるサルナシを入れました」
サルナシとはキウイの原種といわれる果物で、キウイより酸味が強いことが特徴です。このサルナシについて「初めて食べましたが明るい酸味ですね」「酸っぱさがアクセントになっています」とメンバーからも好感触。
「ピールが大きくなっていて、ゆずをダイレクトに感じる」「ゆずがアクセントになっている」と、ゆずの風味を強く感じることを歓迎するコメントもありました。
同じく増量したくるみは、いつもなら刻んで入れるところを、手で潰した程度の荒い大きさに。その結果「理想のザクザク感!」という感想も聞かれました。
栗を立てるとフルーツが立たない? 再び議論の的となったのは栗
ところがメインの栗については「前回はより甘みが強いですね」という鋭い指摘が上がりました。
「同じ高知県の四万十栗ですが、前回とペーストの仕方が違います。前回は滑らかなペーストでしたが、今回はみじん切りのような、粒を感じるタイプです。加糖されている材料を使いました。残念ながら、前回の材料が手に入らなくなったためです」と青木シェフ。
これに対し「前回のように栗そのままの甘さを感じたい」「甘みが強くなったので、他の具材や生地とのメリハリが感じられない」といった意見が次々と……。
さらに生地について「パッと見て、前回より茶色くなりましたか?」という声も。これに対して「ボリュームが出るように生地の配合を変えたせいで、色の付き具合が若干変わりました」と青木シェフ。
今回の生地について「しっとりしていて好きです」という意見もあれば「もうすこし重い方が好み」「前回の方が味も食感も好みでした」という意見も聞かれました。
実は青木シェフも全体の軽さが気になっていた模様。ただし前回と今回のいいとこ取りをするのは難しいといいます。「フルーツを増やすと重さが出ますが、生地のボリューム感は出ない。栗の印象も減ってしまいます。どちらがいいですか」と青木シェフ。
まさしく想定外! 第4回のオンライン会議開催へ
「最善策はないのかもしれない」という状況に声を発したのは、八芳園の企画担当・窪田さんです。「前回の試作をベースに、今回好評のくるみのザクザク感と、ゆずの風味を加えることはできませんか? 妥協はしたくありません」。参加しているメンバー全員がザワザワし始めました。
覚悟を決めたという表情で青木シェフから提案がありました。
「もう一度試作をして、オンライン会議を開きませんか?」
こうしてまさかの第4回のオンライン会議の開催が決まりました。プロジェクトとしては、まったく予定していなかった展開です。
予想外の第4回オンライン会議開催。究極のシュトーレンの完成まであと一歩です。
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