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【2021】新年だけのお楽しみ!「ガレット・デ・ロワ」を楽しもう
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【2021】新年だけのお楽しみ!「ガレット・デ・ロワ」を楽しもう

梶原 綾乃
梶原 綾乃

2021年、あけましておめでとうございます。
新年のパン屋さんといえば、福袋や干支の姿を模したパンなどさまざまなお楽しみがありますが、そのなかでも今回は「ガレット・デ・ロワ」というお菓子をご紹介。
クリスマスでおなじみ「シュトーレン」は一般的になってきましたが、新年の「ガレット・デ・ロワ」はまだまだ知らない人が多いかと思います。
その魅力を知って、食べて、楽しんでみませんか。

※今回紹介する情報は諸説あり、宗派や地域などによって異なる場合があります。
※各商品の詳しい情報は店舗にお問い合わせください。

フランスで新年のお祝いに欠かせない

ガレット・デ・ロワ(Galette des rois=王様のお菓子)は、毎年1月6日ごろ、「公現祭」と呼ばれる日に食べられるお菓子です。
キリストが公に現れたことを記念する日で、キリスト教において重要な祝日とされています。
日本のケーキ屋さんやパン屋さんでは12月16日〜1月中に並ぶことが多く、お店によっては予約制ということも。この時期、自分の好きなお店にガレット・デ・ロワが並ぶかどうかを探すのもまた、パン好きにはたまらないイベントなのです。

その姿は、いたってシンプルなパイ。パイ生地の中にはアーモンドクリーム(アーモンドパウダーとバターをあわせたもの)が絞られています。クリームといっても、カスタードクリームのようなトロトロしたものではなく、ケーキ生地のような質感。「クロワッサン・ダマンド」の上にかかっている「ダマンド」を想像していただくと、近いかもしれません(主原料も同じ)。
また、地方によっては、パイ生地ではなくブリオッシュ生地のものも存在していますが、日本ではパイ生地のほうが一般的で、よく見かけられます。

サクサクの生地に、しっとりとしたクリームという、食感の違い。バターとアーモンドのリッチ感。フルーツたっぷりのケーキよりは見た目も素材もシンプルなのに、ぜいたくなおいしさがあるのもまた、魅力のひとつです。

ちょっと変わった食べ方で、今年の運試し!

ガレット・デ・ロワが魅力的なのは、味だけではなく、その“食べ方”にもあります。実はガレット・デ・ロワのなかには、陶器で作られた人形「フェーブ」が隠されており、これを引き当てた人は、幸運な1年がやってくると言われているのです。

陶器でできた「フェーブ」と呼ばれるもの。これは指輪の形をしているが、人形であったり、ケーキを模したものであったりと、あらゆる形が存在する。フェーブの収集もまた楽しみのひとつに。

ガレット・デ・ロワの食べ方
①ガレット・デ・ロワをテーブルに置き、集まりの中でいちばん年下の子どもがテーブルの下にもぐります。
②ガレット・デ・ロワを均等に切り分け、①の子どもに、誰がどのカットを食べるのかを口頭で決めてもらいます。
③ガレット・デ・ロワの中にフェーブが隠れていた人は、王冠をかぶり、“王様”または“王妃様”として祝福されます。

この伝統的な食べ方は、家族や知り合いと行うと、盛り上がること間違いなし。“運試し”としても機能する、新年らしいお菓子だということがうかがえますね。
日本ではあらかじめフェーブを入れて焼かれた商品はありませんが、購入すると付いてくるフェーブを底に埋め込むことで、同じような楽しみ方ができます。また、代わりにアーモンドの粒などを入れて焼かれている商品も多いので、「フェーブを入れるのは誤飲が心配……」と思う人でも、安心して食べられます。

実際に当たりを引き当てたときの写真。手前にアーモンドの粒が見える。

見た目の違いにも意味がある

ここまで、ガレット・デ・ロワの魅力とともにいくつかの写真を紹介してきましたが、どれも柄が少しずつ違っているのにはお気づきになりましたか?じつは、ガレット・デ・ロワの柄にはいくつかのパターンがあり、それぞれに意味があるのです。手作りする際や、購入する際に参考にしてみては。


月桂樹(左上)
「勝利」を意味しています。
葉っぱの模様です。

太陽(右上)
「生命力」を意味しています。
渦巻状の模様です。

麦の穂(左下)
「豊穣」を意味しています。
矢羽根模様です。

ひまわり(右下)
「栄光」を意味しています。
格子模様です。

生地に柄を描くのには、ナイフなどを使います。
筆者がお菓子教室で作り方を習った際、先生から「いちばん難しい」と言われた柄は「太陽」。模様の中央となる位置や、線と線の幅など、気をつけるべきことが多く、見た目よりは難しい印象でした。
「月桂樹」は、手数が多いので大変ですが、複雑なぶん初心者でも比較的きれいに仕上げやすいとのこと。「ガレット・デ・ロワ」らしい柄に仕上げたい人にはぜひチャレンジしてみてくださいね。

筆者がいちばん最初に手作りしたガレット・デ・ロワの模様は「太陽」。やや中央がずれてしまっているものの、形にはなっている……はず。

身近なお店でも手に入る

ここまで読んで、ガレット・デ・ロワを食べてみたくなったあなたへ。百貨店で人気のチェーンや、街のパン屋さんで、気軽に入手することができます。
ここからは筆者が今年購入したガレット・デ・ロワの一部を紹介します。

PAUL

PAULでは、ホールだけではなく、カットしたものも販売されているため、ひとり暮らしの方や少しだけ食べたい方でも気軽に楽しむことができます。発酵バター香る生地にアーモンドクリームがたっぷりと詰まっているのが特徴的で、フランボワーズの入ったフレーバーも用意されています。柄は「月桂樹」「ひまわり」のようです。

MAISON KAYSER

サイズは直径約14cm、24cmの2種類から選べます。パイ生地はサクサクで、ほどよい空洞がより食感を引き立てます。フィリングは、アーモンドクリームに加え、カスタードクリームも合わせているため、甘みがしっかりとしていて濃厚。柄は、「太陽」です。

オパン(渋谷)

百貨店の店舗以外で購入したのは、筆者の住む地域で人気のベーカリー「オパン」。受注制で、店頭には並ばない限定商品となっています。お店のキャラクターを模したフェーブが付属。パイ生地は密度が高く、ラム酒香るアーモンドクリームもみっちりと詰まっています。美しい「月桂樹」の柄と相まって、ていねいな職人技がうかがえます。

ほかにも、カット販売では「神戸屋」、イートインでも楽しめる「ドンク」、定番人気の「ピエール・エルメ・パリ」「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」など、おすすめしたいお店がいっぱい。お近くの百貨店やベーカリーなどで取り扱いがあるかどうかぜひ、チェックしてみてください。

コロナ禍で、家族の集まりやパーティーがなかなか難しかった2020年。今年は、ひとりだったり、少人数の身近な集まりなどで、ガレット・デ・ロワを楽しみたいものです。みなさんひとりひとりが、フェーブを引き当てられるくらい、いい年になりますように!

WRITER

梶原 綾乃

梶原 綾乃

編集者/ライター。
お菓子やパンを作ったり、食べたりすることが好き。
ご当地パンの包装紙を収集中。「サラダパン」が大好き。

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