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京漬物の発酵技術から生まれた、常識を覆す食パン「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」
開発物語

京漬物の発酵技術から生まれた、常識を覆す食パン「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」

田辺 容子
田辺 容子

一般的に、パンは時間の経過とともに生地が劣化し、おいしさが損なわれてしまうもの──そんな常識を覆す食パンを開発した会社が、京都にあります。
「京つけもの西利」や「発酵生活」を展開する「株式会社西利」は、昭和15年創業、京漬物の製造・販売を事業としてきました。
一見、パンとは馴染みがないように感じる企業で生まれた「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」は、時間が経ってもふわふわの食感、そして日ごとに増す乳酸発酵甘麹の自然な甘さが魅力です。
そんな「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」誕生のお話について、株式会社西利・製造部本部長の平井さん、パン工房長の小西さん、通信販売事業部の山﨑さんに伺いました。

発酵研究のなかで始まったパン作り

──「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」を開発したきっかけを教えてください。

平井さん(以下敬称略) 私たち株式会社西利は、これまでずっと「野菜と乳酸菌を一緒に食べられる伝統の発酵食品は漬物しかない」という気持ちで一生懸命、京漬物を作ってきました。ですが一方で“毎日ご飯を食べてお漬物を食べる”というライフスタイルは変化し、ご飯離れが進んでいます。そんな中で、「毎日(お漬物などの発酵食品を)食べてください」というのも違います。そこで、今のライフスタイルに合った形で発酵食品を取り入れてもらえるように、「乳酸発酵甘麹AMACO(以下AMACO)」という商品を開発しました。

もともと、漬物屋として麹漬を取り扱っていることから麹は我々にとってとても身近なものでした。その麹を使用し、西利だからこそできることは何かと考えたときに、ラブレ乳酸菌で発酵させ「乳酸発酵甘麹」を作り上げました。
「乳酸発酵甘麹」がどういうものかというと、お米と麹菌で作った「甘麹」を、京都の伝統漬物「すぐき」から発見された「ラブレ乳酸菌」でさらに発酵させたものです。この「乳酸発酵甘麹」は、自然な甘みとほどよい酸味を持っています。これを使って、他にも何かを作れないかと思い、パンを開発することにしました。

──「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」の魅力について教えてください。

AMACO BREAD 甘麹熟成食パン 1本(約2斤)

AMACO BREAD 甘麹熟成食パン 1本(約2斤)

小西さん(以下敬称略) きめが細かくて耳まで柔らかく、日が経っても硬くならず、中はもちもちとしているところです。もちろん生でもおいしいのですが、トーストするとよりいっそう甘みが増し、非常に気に入っています。私自身、「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」を食べてからは、他の食パンだと物足りなく感じてしまうようになりました。

山﨑さん(以下敬称略) おすすめポイントはたくさんあるのですが、他の食パンとの違いは、柔らかさやほんのり甘い自然な風味がありながら、はちみつや生クリームを使用していないことです。小さいお子様のいらっしゃる方も、親子で一緒に食べていただけます。

平井 時間が経っても柔らかく、日をまたいでも違う表情を楽しめる。もちろん焼き立てもおいしいのですが、すぐに食べ切れなくても、最後までずっとおいしく食べてもらえるところが魅力ですね。

製造部本部長の平井さん、パン工房長の小西さん

写真左より、製造部本部長・平井さん、パン工房長・小西さん

AMACO BREAD 甘麹熟成食パン

耳まで柔らかく、時間が経ってももちもち食感を味わえる。

「今までにないパンが出来る」という感覚

──開発にあたって苦労をした部分や、それを乗り越えられたきっかけを教えてください。

平井 苦労した点は、AMACOを配合するバランスですね。どのくらい入れたらどんな味になるのか、試作と品質チェックを重ね、AMACOの良さを最大限に活かせるポイントを探っていきました。
道のりは長かったのですが、最初の試作で「AMACOはパンにすることで、今までにないパンが出来るんちゃうか」という感覚が、開発メンバーの中でありました。その感覚を信じて作っては食べ、作っては食べてを地道に繰り返し、より良いものにしていくことで、完成に至りました。
お客様からも「時間が経ってもおいしいね」と言ってもらえ、狙い通り出来上がってよかったなぁ、と安心しました。

AMACO BREAD 甘麹熟成食パン

ライフスタイルが変化していく中で、発酵食を届けていくこと

──「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」を開発されて、事業に変化はありましたか。

平井 私たちの会社は、京漬物を売っている「京つけもの西利」があったり、「発酵生活」ブランドがあったり、「AMACO」のパンやスイーツがあったりします。いろんなシチュエーションで使って食べてもらえる土壌が整ったという意味では、ひとつの変化になったと思います。
例えばラブレ乳酸菌の漬物を食べる日があったら、「AMACO」のパンを食べる朝があり、「発酵生活」のスープを飲む昼もあります。そうして総合的に、世の中の方に発酵食品を提供できるようになったかなと感じています。

──西利さんのInstagramでは、お漬物をはじめ、発酵食品を使ったレシピを発信されていらっしゃいますね。お漬物とパンの組み合わせでおすすめのものはありますか。

平井 焼いて食べる場合には、香りが立って発酵している感覚が強いお漬物が合うと思います。例えば、ラブレ乳酸菌が発見されたお漬物「すぐき」や、「しば漬」、「奈良漬」です。その中でも特に、「山里の香り」という山ごぼうのしょうゆ漬をタルタルソースに加えて、はさんで焼いたパンはおすすめです。
生食には、きゅうりと赤しそをしょうゆ漬にした「ゆかりむらさき」とたまごサラダをはさんでサンドイッチにしていただくとおいしいです。

京つけもの西利Instagram

「きざみすぐきのサンドイッチ」(京つけもの西利Instagramアカウント(@nishiri_kyotsukemono)より)

──AMACO BREADの今後の展開を、差支えの無い範囲でこっそり教えてください。

平井 お客様自身の食生活やライフスタイルに合わせて弊社商品を手に取っていただきたいと考えています。これが流行っているからというより、“AMACOを使ったパンだからおいしい”というものを作りたい。そういう気持ちでやっています。AMACO BREADは特徴的な生地です。他の材料と合う・合わないがあると思うので、それを見つけながら次の展開を考えているところです。

AMACO BREAD甘麹熟成食パンは、“発酵”をちょっとお洒落に楽しめるカフェ&バー「AMACO CAFE」(阪急「京都河原町駅」徒歩3分)ほか、「京つけもの西利 オンラインショップ」でもご購入いただけます。

今回、ぱんてな読書のために西利さんより「AMACO BREAD甘麹熟成食パン」のプレゼントをご用意いただきました。是非ご応募ください。応募はこちら

WRITER

田辺 容子

田辺 容子

1990年滋賀県生まれ。製菓製パン材料を販売する会社でWEBデザイナーを経験したのち、印刷系の制作会社でライターとして勤める。現在は文化・芸術を支える仕事の勉強中。好きなパンはシナモンロール。

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