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日本初・新一万円札のパン誕生!渋沢栄一モチーフのパンセット「Grand Old Man Breads」
開発物語

日本初・新一万円札のパン誕生!渋沢栄一モチーフのパンセット「Grand Old Man Breads」

田辺 容子
田辺 容子

今年7月、紙幣デザインが20年ぶりにリニューアルされます。新一万円札に起用されるのは、渋沢栄一。さまざまな企業や学校の設立・支援に関わり、功績をのこした人物です。

渋沢栄一ゆかりの品を揃えるセレクトショップ「渋沢逸品館 TSUNAGU marché」(東京都北区)では、渋沢をモチーフにしたパンのセット「Grand Old Man Breads」を今年4月より発売。新一万円札をかたどった「おさつのお札パン」を含むユニークなパンセットは、これからますます注目が集まりそうです。そこで商品の開発・販売を行う株式会社旺栄の事業戦略部・鈴木知子さんにお話を伺いました。

パンセット「Grand Old Man Breads」を発売したきっかけを教えてください。

私たちの会社がある東京都北区は、渋沢栄一翁(※)の晩年の棲み処でした。そのため渋沢翁は「北区の偉人」と言われています。また北区には国立印刷局があり、「お札がうまれる街、北区」としてPR活動を行っています。

現在、今年7月3日の新札発行へ向けて北区と連携し「新一万円札発行カウントダウンプロジェクト」に取り組んでいます。その一環として、渋沢栄一翁ゆかりの地の食材やモチーフを使ったパンのセット「Grand Old Man Breads」を開発しました。公民連携の取り組みにより、渋沢栄一翁の精神及び区の魅力を全国に発信するとともに、新一万円札発行の機運醸成を図ることを目的としています。

※「翁」は敬称

新一万円札「おさつのお札パン」セット渋沢栄一【Grand Old Man Breads】

新一万円札「おさつのお札パン」セット渋沢栄一【Grand Old Man Breads】(1,310円)。

そもそも渋沢栄一はどのような人物だったのでしょう?

「日本資本主義の父」と呼ばれ、数々の地域の創生、事業を立ち上げていった人物です。渋沢栄一翁は約100年前の1916年、『論語と算盤』で「公共心と経済活動の両立」を唱えています。公共心をもって経済活動に努めるということは、利益のみを追求して一部の個人や企業だけが富むのではなく、すべての人々が豊かになることを目指すということ。

こうした理念は、現代の「SDGs」が目指す「誰一人取り残さない社会」を先取りした考え方であったと言えると思います。近年「SDGs」を謳う企業は増えており、渋沢栄一翁の考えが、まさに今に続いていると感じています。

セットのパン3種類それぞれの特徴についてご紹介をお願いします。

渋沢栄一翁ゆかりの地域には豊富な食材や隠れた逸品があり、その地の素材を集めた商品構成となっております。素材は厳選し、国産小麦・国産発酵バターを中心に使用しています。

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「おさつのお札パン」。

「おさつのお札パン」は、新一万円札を再現したお札の形のパンです。「お札=おさつ=さつまいも」という連想から誕生しました。バター風味たっぷりのブリオッシュ生地にサンドした餡は、自家製のスイートポテトにさつまいもの甘露煮をふんだんに使用しております。水を使用しない無水製法でしっとりとした食感に仕上げています。

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本物の一万円札と同じ160mm×76mmサイズに仕上げ、表には渋沢栄一翁の可愛らしいイラストがプリントされています。厚さは実際の100万円の札束をイメージし、約10mm厚に。帯封もしており100万円束を再現しています。パンの厚みと重みで、よりリアルにお札感を楽しんでいただけるようにしました。

そして晩年の渋沢栄一翁といえば、帽子にステッキをもった小粋な紳士。そこで「シルクハットのあんぱん」や「素敵(ステッキ)な黒カレーパン」は、それらをイメージした形状にしました。食材には渋沢翁ゆかりの地の一つ、北海道十勝清水町のものを使用しています。

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「シルクハットのあんぱん」。

真っ黒で可愛らしい帽子の形をした「シルクハットのあんぱん」の中には、渋沢栄一翁ゆかりの地である北海道十勝清水町のあんこがたっぷりと詰まっています。深みのある甘さのあんこと、ふっくら焼き上げたココア風味のパン生地が特徴です。

素敵(ステッキ)な黒カレーパン,渋沢栄一

「素敵(ステッキ)な黒カレーパン」。

「素敵な黒カレーパン」は、シルクハットと同じく、渋沢栄一翁のトレードマークであるステッキをモチーフに、片手で食べられる細長いカレーパンを実現しました。生地はふんわり、揚げたての際には、さっくり食感をお楽しみいただけます。材料の一部に、北海道十勝清水町の「十勝若牛」を使用しました。しっかりとスパイスの効いたカレーが、ガツンと味わえる真っ黒で細長いカレーパンです。

材料からも渋沢栄一の功績を感じられるパンですが、開発にあたり苦労したことはありますか?

お札パンに関しては、生地を平らにしないとプリントがきれいに仕上がりません。真四角真っ平らに整えながら、パンが膨らまないようにつくるのは至難の業。また表面に焼き色がつきすぎるとプリントが出にくくなってしまいます。きれいなベージュ色に焼き上げるために温度管理も重要になっており、適正温度になるよう調整を繰り返しています。

焼き色以外にも、100万円の札束感が出せるよう厚みも調整しています。重石をしてなるべく膨らまないようにしており、それでいてしっとりとした食感を保ち、ケーキのようなパンを目指しました。

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イラストがきれいにプリントされるよう、ひとつひとつ厚みを調整しています。

黒カレーパンは、細長くすると揚げたときに中身が出てしまい、爆発しやすい傾向にあります。丸や楕円形であれば具が真ん中にあって作りやすいところですが、どうしても渋沢栄一翁のトレードマークであるステッキ形にしたいという想いがありました。餡ののせ方や生地の厚み、揚げ方を工夫するなど、何度も試作を繰り返して完成しました。

細部までリアルさを追求して作られていることが伝わってきました。実際購入されたお客様のお声はいかがですか?

目を引く楽しさがあるようです。ご自分用でもプレゼントでも、ということで最近はまとめてご購入いただくケースが増えています。

まとめてご購入いただく方からのご希望で、日持ちさせたいというお声があり、冷凍でのお持ち帰りを開始致しました。解凍方法を別紙にてご準備しておりますので、ご自宅で簡単に解凍してお召しあがりいただくことが可能です。お札パンはレンジ等で温めていただくと、しっとりとした食感とバターの風味が相まって、まさにケーキ感覚でお召し上がりいただけます。

最後に、「渋沢逸品館 TSUNAGU marché」についてご案内をお願いします。

「渋沢逸品館TSUNAGU marché」は、2023年4月にオープンした渋沢栄一翁ゆかりの地の衣食住商品を取りそろえたセレクトショップです。渋沢栄一翁の人生の拠点である東京都北区にて、「想いをつなぎ未来を拓く」というコンセプトのもとに、渋沢翁の功績や現代に通じる教えの数々を更に幅広い世代の方に知っていただきたいという想いから、地方創生プロジェクトの一環としてスタートしました。

店内には、北区の逸品やパンをはじめ、渋沢栄一翁の生誕の地である埼玉県深谷市の深谷ネギ商品、開墾事業の地である北海道清水町が誇る牛肉食品・乳製品、武州藍染めを引き継ぐ藍染工芸品など、渋沢翁ゆかりの地の逸品や関連する商品を独自にセレクトし、こだわりの商品を取り揃えておりますので、ぜひお立ち寄りください。


贈り物にも喜ばれそうなリアルでユニークなパンセットは、「渋沢逸品館 TSUNAGU marché」店頭のほか、インターネットでも販売中です。

また7月3日からは、新五千円札(津田梅子)と新千円札(北里柴三郎)のお札パンも登場予定なのだとか。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

■渋沢逸品館 TSUNAGU marché

住所
東京都北区王子本町1-1-6 Seionkaku03
電話番号
03-5948-4661
営業時間
平日10:00~19:00、土日祝9:00~18:00
定休日
水曜日(祝日の場合は翌日振替)
Instagram(渋沢逸品館)
https://www.instagram.com/shibusawa_world
Instagram(渋沢逸品館TSUNAGU marché)
https://www.instagram.com/shibuworld_tsunagumarche

WRITER

田辺 容子

田辺 容子

1990年滋賀県生まれ。製菓製パン材料を販売する会社でWEBデザイナーを経験したのち、印刷系の制作会社でライターとして勤める。現在は文化芸術を支える仕事の勉強中。好きなパンはシナモンロール。

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