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未来のパン職人を目指して(国際ビューティ&フード大学校 ブーランジェ学科)
輝くパンシェルジュ

未来のパン職人を目指して(国際ビューティ&フード大学校 ブーランジェ学科)

辻 美穂
辻 美穂

国際ビューティ&フード大学校

専門学校 国際ビューティ

福島県郡山市にある専門学校。郡山駅周辺に5校55学科と複数のキャンパスを持つ「学校法人 国際総合学園」の1校で、美容やファッションの道へ進む人たちを育成するビューティ系学科とともに、プロを育成するフード学科とパティシエ学科がある。2021年4月に、ブーランジェ学科を新設。パンシェルジュ検定受験を必須科目の一つとして基礎知識や技術を教えながら、未来のパン職人を育成している。

 

専門学校 国際ビューティ

左からブーランジェ学科1年本田豊博さん、パンシェルジュ検定授業担当の杉内美憂先生、ブーランジェ学科1年鈴木拓斗さん。今回はこの3名にインタビューしました。

ブーランジェ学科の特長や普段の学校生活について教えてください。

杉内美憂先生(以下杉内先生):ブーランジェ学科は2021年に開設された新しい学科です。現在、東北地域でブーランジェ学科があるのは、当校だけなんです。パン職人を目指す生徒はもちろんですが、カフェ経営を目指す生徒もいますので、製パン実習だけでなく、製菓やカフェメニューの実習など、就職先の幅が広がるようなカリキュラムを組んでいます。座学では、製パンや食の現場に関わる基礎知識を教えています。

専門学校 国際ビューティ

カフェフード実習(左)や製菓実習はコックコートを、製パン実習(右)はパン屋さんのようなユニフォームを着用。服装のデザインにもこだわりがあるのは、ファッション系学科もある国際ビューティ&フード大学校ならでは。

調理室の機器も充実しています。コンロはIHとガスコンロ、オーブンは平窯とコンベクション、急速冷凍機などもあります。就職先のお店によって備えている機器も違いますので、学生のうちにできるだけ多く体験してほしいという思いで揃えました。

専門学校 国際ビューティ

機器が充実した製菓実習室。“パンを焼くときにしっかり焼けるのは平窯”とか、“スパイラルよりも縦型の方が回転率がいい”など、使うことで実感することも多いという。

また、月1回ぐらいの頻度で行われるカフェイベントでは、学生たちが作ったパンやケーキの販売や、レストランの営業を行っています。製造だけでなく、接客やレジ打ちまで、すべて学生が担当します。地元の方も楽しみにしてくださっていて、常連さんもいらっしゃいます。

専門学校 国際ビューティ

“お客様へ販売する責任感を学べる大切な機会”というカフェイベント。販売される商品は一律150円。鈴木さんは“パンがおいしかった”とアンケートに書いてあった時、本田さんは早い段階で完売した時に、喜びを感じたと語る。

 

なぜ、パンシェルジュ検定を全員受験という形にされたのでしょうか?また、どのような形で学ばれているのでしょうか?

杉内先生:「パンの基礎的な知識を学んだうえで、おいしいパンを作ってもらいたい」と考えた時に、パンシェルジュ検定を見つけました。学べる内容が、パン職人やカフェスタッフを目指して入学してくる学生たちにピッタリだと思いましたので、基本的に全員受験という形で取り入れさせていただきました。

学校では「製パン理論」という授業で週に一度、3時間、パンシェルジュ検定の授業を行っています。パンシェルジュ検定のテキストを活用しながら授業を進め、1年生は3級、2年生は2級の取得を目指しています。この学科にはまだ1年生しかおりませんので、今年秋の3級試験が、学校としても初めての受験でした。

 

輝く 国際ビューティ

みな、受験に向けてとても真剣に、真面目に取り組んでいたそう。杉内先生も“教えるならば私も”と、学生と一緒に受験して3級を取得した。

 

次は、学生さんに伺います。検定の勉強で得たパンの知識のなかで、ためになったことや新たに知ったことはありましたか?

鈴木拓斗さん(以下、鈴木さん):「パンの材料の役割」についてです。今まで、パンの実習をしていても、“これは何のために入れてるんだろう”と思うことがありましたが、パンシェルジュ検定の勉強をしたことで、材料の役割をしっかり学べ、より深く、具体的なイメージをしてからパンを作ることができるようになったと思います。特に印象に残ったのは、「塩」です。“塩が焼き色をよくする”というイメージがなかったので、“そんな役割もあるんだな”と思いました。

専門学校 国際ビューティ

受験勉強には、パンシェルジュ検定のアプリや「ぱんてな」で出題される問題も活用。試験ではその中から問題が出たそうで、“チェックしてよかった”と鈴木さん。

本田豊博さん(以下、本田さん):パンシェルジュ検定の授業で学んだ「生地づくりから焼成までの流れ」は、実習で活かせることができたので、本当に役立ったなと思っています。ひとつひとつの工程でやるべきことや、注意すべきことが書いてあったので、その通りに気を付けて作業をしていくことで、失敗なく作れたので助かりました。
新たに知ったことは、世界中には幅広い種類のパンがあるということです。これまではコンビニや近くのお店のパンしか食べたことがなかったので、3級のテキストで学んでからは、いつか自分も食べてみたいと思うようになりました。

専門学校 国際ビューティ

実習と並行して学ぶことで、より身に付いたと実感しているおふたり。ちなみに、テキストで紹介していたパンでは、本田さんは、「パン・トラディショネル」が好みで、鈴木さんは、フィンランドの「カレリアン・ピーラッカ」が気になったとか。

合格後、パンシェルジュ検定の資格を活かして、新たにチャレンジしたいことや、今後の目標はありますか?

鈴木さん:今回3級を取得できたので、まずは2年生で受験する2級合格を目指したいと思います。今後の目標は、もちろん小さい頃から憧れていたパン職人になることです。パン屋さんに行くと、どれにしようかと選ぶ楽しさもあると思いますので、見ても楽しく、食べて幸せになれるようなパンを作ることができる、そんなパン職人になりたいと思います。

本田さん:パンシェルジュ検定で知った世界のパンなど、作ったことのないパンにもどんどん挑戦していって、幅広くパンを作れるようになりたいと思います。パンシェルジュ検定2級以降の取得も目指しながら、さらにパンの知識や技術を身につけ、東京など県外で働くときには、その力が発揮できるように頑張っていきたいと思います。

全国のパンシェルジュたちや、これからパンシェルジュ資格の取得を目指す人たちにメッセージをお願いいたします

鈴木さん:パンシェルジュ検定のテキストは、内容が具体的に書いてあるので、何回も問題を解きなおしたりしながらしっかり覚えれば、きっと合格ができると思うので、頑張ってください。

本田さん:パンシェルジュ検定はあまり簡単な内容ではないですが、自分なりに解読すれば納得できると思います。何度も読み返しながら覚える努力を続ければ、検定も受かると思うので、頑張ってください。

専門学校 国際ビューティ

1年生6名が集合し、パンシェルジュ資格検定テキストを手に笑顔でパチリ♪みなさんのパンがお店に並ぶ日を、筆者も楽しみにしています!

WRITER

辻 美穂

辻 美穂

とにかく食べること、飲むことが好きで、異業種から食の業界へ転職をとフードコーディネーターの学校へ。複数の調理現場でバイトしたあと、菓子とパンの会社で商品企画の仕事に就く。自社パンのおいしい食べ方をあれこれ試しているうちにパンの魅力にハマり、その後ライター活動を始めてからも、そして活動拠点を福岡に移した2013年以降も、仕事のついでに気になるパン屋へ立ち寄り、新たなパンとの出合いを求め続けている。最近気になるのは、自分の体重と屋根で勝手に居候するスズメたちのこと。

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