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「田村寫眞館」経営 田村 泰雅さん
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「田村寫眞館」経営 田村 泰雅さん

辻 美穂
辻 美穂

写真家 田村 泰雅(たいが)さん

プロフィール

香川県出身、京都市在住。京都の大学へ入学した頃から市内のパン屋巡りを始め、大学卒業後、京都府内の給食会社に勤務。この頃からパンやパン職人の撮影を始める。2012年に給食会社を退社し、大学生の頃から目標にしていた写真家として独立、個展を開催した。2014年に「手焼き白黒フィルム写真」を看板とした『田村寫眞館』を開業。大正時代から昭和初期の写真館店主を再現したレトロスタイルで出向き、美しい京都の景色を背景に、たくさんの「思い出の1枚」を撮影している。2016年には写真表現大学テクニカルコースを修了し、その後、京都新聞写真部でも撮影に従事するかたわら、『まいまい京都』をはじめとしたパン屋巡りツアーガイドや、パンのイベント主催なども行っている。

パンシェルジュ検定を受験した目的やきっかけを教えてください。

『まいまい京都』で、パン屋さん巡りのツアーガイドを始めることになったからです。昔からパンが好きで、京都の大学に進学してからは周辺のパン屋さん巡りをしていたんですが、当時はパンの専門用語はあまり知りませんでした。その頃、偶然目にしたのがパンシェルジュ検定のチラシ。専門用語を知っているほうが説明も伝わりやすいし、ツアーに参加された方もより楽しんでくれるはずと、受験することを決めました。

地元住民が京都を案内する『まいまい京都』。田村さんがパン屋巡りツアーを行うように、各ジャンルに精通した人が得意分野をガイドする、ミニツアーが行われている。

どのような経緯で、『まいまい京都』のツアーガイドを始めたのですか?

“パン職人を撮るカメラマンは珍しい”と新聞社に紹介していただいたことがありまして、その記事をきっかけに、声をかけてもらいました。そもそもパン職人を撮るようになったのは、“あの店ではどんなふうに、どんな思いでパンを作っているんだろう”と、憧れたこともあるパン屋さんの世界をもっと知りたいと、思ったから。実際に現場へ行くと、パン職人が粉まみれになりながらもひたむきにパンを作っている姿がカッコよくて。その瞬間に「ここだっ!」とシャッターを切っていました。

頭の中で振り返る思い出のシーンのような、ふわっとした描写ができるからと、フィルムでの撮影にこだわる田村さん。パン職人の魅力は、集中してパンと向き合う姿とその合間にふと見せる笑顔だそう。

パンシェルジュ検定の勉強をした中で、ためになったことや新たに知ったようなことはありましたか?

全てが新たに知ったことでした。製法にしても、基本的なパンの呼び方にしても、クラストとかクラムっていう呼び方なども知りませんでしたから、特に3級のテキストは、世界的のパンとかパンの由来とか、基礎的な内容が充実していて、本当に勉強になりました。今、僕の周囲ではパンシェルジュ検定受験を考えている人が結構いるんですが、中には「3級から受けなくてもいいかな」と言う人もいるんですが、「3級は大切ですよ」ってすすめています(笑)。

パンの基礎を幅広く学べたパンシェルジュ検定の3級テキストは、お店の取材前やツアー前など今でも読み返すことがあるという。

パンシェルジュ検定に合格したあと、仕事などで変化はありましたか?

パン屋さんを取材する時に、専門的な用語で会話できるようになったことですね。例えば「老麺法で作っています」と言われても、今なら「なるほど」ってすぐに理解できるようになりました。また、パン屋巡りツアーのガイドを行う時も、専門的な知識を得たことでより説明が伝わりやすくなったのか、以前よりも参加者に楽しんでもらえている実感があります。さらに、2020年11月から京都新聞で連載を始めた『一日一パン』など、新しい仕事の依頼をいただけるようになったのも、大きな変化だと思います。

パン屋さん巡りツアーには「パンを作ってます」という人や、パンシェルジュ資格取得者が参加していることも。田村さんがガイドするツアーには、パンに精通した人々も興味津々のよう。

今後の目標を教えてください。

コロナ禍以降は滞っていますが、今まで通り、年1回は、パン職人の働く姿やパン屋さんの魅力を発信する写真展を開いていきたいです。そしてゆくゆくは、それを写真集のように書籍化するのが目標です。また、これまで個人的にパン屋巡りのツアーやパンのイベントを月1回ぐらい開催していたのですが、今後もパン絡みで面白いことができたらと思います。場所や資金確保のためにも、それなりに人を集めないと開催が難しいですから、人が集まることが難しくなった今は見通しが立たないですけど、落ち着いたら開催したいです。

2019年7月に行われた写真展『京のパン屋さん~大正製パン所編』。パン職人と関係性を築いてからの方がいい写真が撮れるはずと一つの店に何度も通い、撮りためたものを年1回のペースで発表している。

全国のパンシェルジュたちや、これからパンシェルジュ資格取得を目指す人たちにメッセージをお願いいたします。

パン屋さんになりたい人や、僕のようなガイドや取材の仕事に役立てたいとか、皆さんそれぞれ違う目標を持って受けると思いますし、趣味で受けるのもありだと思います。いずれにしても、パン好きな人だと思いますので、大人になると機会が少なくなる試験というものを、楽しむのが一番ではないでしょうか。そしてパンシェルジュ検定をきっかけに、自分の興味ある「パン」という分野を、もっと楽しんでもらえたらいいのではと思います。

レトロデザインのフィルム包装が魅力的な京都市『大正製パン所』の総菜パン。2019年に創業100周年を迎えたこのパン屋も、田村さんが通いつめた店のひとつ。

「取得資格」

パンシェルジュ2級・漢字検定2級・調理師免許

「メディア登場歴」

・2019年8月1日 まいどなニュース
・2019年8月2日 京都新聞
ほか、新聞やテレビなどへの登場多数

「受賞歴」

・2014年7月 第36回なら写真展 「町の豆腐屋さん」で入選
・2015年6月 第37回なら写真展 「珈琲とマスター」で入選

「著書や執筆記事」

・京都の手づくり市-人気の出店写真館が出会った。つくる人、こだわりのモノ
(青幻舎 2015年10月出版)
・一日一パン(京都新聞で連載中)
https://www.kyoto-np.co.jp/subcategory/pan

「DATA」

ホームページ: https://www.tamurashashinkan.com/
Instagram:https://www.instagram.com/tamura0922/
まいまい京都 田村さんガイドツアー:https://www.maimai-kyoto.jp/guides/tamura-2/

WRITER

辻 美穂

辻 美穂

とにかく食べること、飲むことが好きで、異業種から食の業界へ転職をとフードコーディネーターの学校へ。複数の調理現場でバイトしたあと、菓子とパンの会社で商品企画の仕事に就く。自社パンのおいしい食べ方をあれこれ試しているうちにパンの魅力にハマり、その後ライター活動を始めてからも、そして活動拠点を福岡に移した2013年以降も、仕事のついでに気になるパン屋へ立ち寄り、新たなパンとの出合いを求め続けている。最近気になるのは、自分の体重と屋根で勝手に居候するスズメたちのこと。

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