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小さなしあわせとぬくもりを感じるパンの情報が満載。『オズマガジン2021年1月号』ができるまで。
開発物語

小さなしあわせとぬくもりを感じるパンの情報が満載。『オズマガジン2021年1月号』ができるまで。

野崎 さおり
野崎 さおり

日々のよりみちを推奨する月刊誌『オズマガジン』(スターツ出版)。表紙でモデルのKanocoさんが食パンを持ってうれしそうに微笑む2021年1月号は「しあわせのパン」という特集タイトルです。気になるパン特集の裏側と、パンが私たちにもたらすしあわせについて、オズマガジン編集部の久万田萌さんにお話を伺いました。

今回の号で、初めに登場したパン屋さんが江戸川区に移転オープンされて間もない「かいじゅう屋」だったことに驚きました。

「かいじゅう屋」の「メロンぱん」は小学生の娘さんが発案者というエピソードも紹介。(オズマガジン編集部提供)

この号は特集を「しあわせのパン」としました。2020年は私自身が、変わらない小さいしあわせやぬくもりをパンに感じた1年でした。そんな気持ちを感じられるパン屋さんとして「かいじゅう屋」をいちばんに紹介しました。家族経営で、娘さんの意見でメロンパンができたエピソードなど象徴的だと思います。

『オズマガジン』のコンセプトは「よりみち案内帖」です。オズマガジンの「よりみち」は、ただ出掛けるだけではなく、“ひと息入れる”とか“無駄を愛そう”とか、そういった意味を込めています。散歩の途中で、新しい発見をしたり、意識をふっと緩めたりする。その全てを「よりみち」と捉えています。

パンは物理的に考えてもお散歩ととても相性がいいですよね。その場で食べ切れなくても持って帰れるし、何個でも買えます。お店巡りもしやすいです。

精神的な面でも似通っていて、気付かないうちにいつも身近にある小さな幸せ。特に2020年はそういうものが改めて尊いと気付かされました。それもパンそのものです。

パン特集として「おでかけ編」と「おうち編」に分かれていたのも新鮮でした。「おでかけ編」には新店だけでなく老舗のパン屋さんも紹介されていますね。

これでもお店の数はかなり絞りました。いつもはもっとぎゅうぎゅうに、例えば4分の1ページに1店という感じで紹介することが多いです。今回の号は、しあわせを感じる“ぬくもり”をひとつのテーマに立てて、そのことをしっかり伝えよう、そう思っていました。だから「おでかけ編」では結構ゆったりと、新しいお店も老舗もそれぞれのお店が持つよさや物語をしっかり伝えることにしました。

今まではお出かけして散歩して、巡りながらパンを買おうという提案をすることが多かったのですが、今回は「おうち編」で、暮らしのなかでパンをどう楽しむかもたっぷり紹介しています。レシピや道具など、おうちで楽しむ内容にこんなにページを割いたのは初めてです。

コンビニやスーパーでお馴染みのランチパックのトリビアも。(オズマガジン編集部提供)

「おうち編」で取り上げた柄トーストの写真をインスタグラムにアップしたら、とてもたくさん「いいね」が付きました。「ランチパック」をずらりと並べた写真も好評です。

柄トーストの写真がとてもかわいくて、真似したくなりました。「お出かけ編」の18種類のカレーパンの断面を並べた見開きページも圧巻です。

柄トーストのレシピは、家族で挑戦したくなるかわいさ!(オズマガジン編集部提供)

カレーパンのページは、カレーが大好きな副編集長が担当していて愛の詰まったページになりました。まさにカレーパンが代表的ですが、「料理」とパン、「スイーツ」とパンの境目がどんどんなくなってきています。以前はレストランではメイン料理があって、パンは脇役でした。今はパンがメインのレストランがあったり、パンの上にメインディッシュがのっていたりと、そういうパンの提供のしかたが増えています。

レストランとパン屋さんがコラボして生まれるパンも増えました。料理人さん同士の距離が近づいているので、一緒にパンやメニューを開発しようという動きは2021年にもっと加速するかもしれません。

恵比寿にあるデニッシュ専門店の「Laekker」や、東銀座のジャムパン専門店「銀座 月と花」のように、専門店が増えてきたのも最近の特徴です。これからもっと増えるかもしれませんね。

取材する側としては、パンのことは掘れば掘るほどいろんな話が入ってきて、どこまで記事にしたらいいのだろうと迷ってしまうほどです。

オズマガジン編集部の久万田萌さん。シンプルな白パンや何もつけない食パンが好き。

取り上げるパン屋さんのリサーチは、どのようになさっているんですか?

編集部やライターさんの情報を持ち合います。今号のリサーチの開始から入稿までは、毎日のようにパンを食べていました。「今、恵比寿にいます!」「代官山で会って、パンを交換しよう」と出先で他の編集部員と落ち合って、お互いに買ってきたパンを交換したりもしていたんですよ。

特集に限らず、私は日頃からロケハン(撮影場所や取材先探し)するようにもしています。街を歩いて、工事中の物件があれば、どんな建物になるのか看板を見たり、工事をしている人に「どんなお店が入るんですか?」と聞いてみたり。インターネットのアルバイト情報や、インスタグラムで1枚だけ写真が上がっているお店をチェックしたりもしています。土日はなるべく新しいなにかを1日1つ、見つけるように心がけています。プライベートのお出掛けもすべて誌面に通じていますね。

久万田さんは過去にパンの連載を3年間担当していたそう。

『オズマガジン2021年1月号』で「ぱんてな」読者におすすめのページはありますか?

専門知識がある方も多いと思うので、「教えて池田先生シリーズ」のページは特に楽しんでいただけると思います。パンラボの池田浩明さんに「食べておいしい現代パン用語」と「おうちぱん教習所」として、例えば高加水や石臼のようなパンの最新トレンドに関する用語や、パンの保存や解凍方法のアドバイスを聞いています。

「おうち編」ではフードユニット「つむぎや」のアレンジレシピを紹介しています。「つむぎや」の金子さんは具材の使い方が独特。ぜひ試していただきたいです。

久万田さんが考えるパンとのいい付き合い方を教えてください。

自分が好きなパンを探すことですね。このパンを食べると落ち着くとか、このパンをこうアレンジするのが好きだとか。それが見つかると、どこでも幸せを手に入れる軸が定まると思います。もはやパンには、いろんな受け皿があります。だから自分がどのようにパンに向き会うのかを、今回の『オズマガジン』を読みつつ、お店に行ったり、パンを食べたりして見つけてもらえたら、と思います。

首都圏を中心に新旧含めたたくさんのパン屋さん、そして意外だけど簡単に試せるレシピやパンにまつわる道具など、パンの楽しみ方がたっぷり紹介されている『オズマガジン2021年1月号』。首都圏を中心とした販売ですが、各都市の大規模書店やインターネット書店でも手に入るそう。パンとの関わりの中で感じるぬくもりと小さなしあわせ、改めて発見できるかもしれません。

「ぱんてな」読者に『オズマガジン2021年1月号』を5名にプレゼントします。応募はこちらから。

オズマガジン公式サイト

WRITER

野崎 さおり

野崎 さおり

ライター。2017年パンシェルジュ検定2級合格。カンパーニュなどのハード系とクロワッサンが好き。旅の目的にはパン屋さん巡りとローカルフードの実食を必ず入れ、旅が「パンの仕入れ」になっていると揶揄されることもしばしば。早起きが苦手なのがパン好きとしての最大の弱点。

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