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「銀座NAGANO」で買えば食べ比べも! 広い長野県から銀座に集まる「牛乳パン」
パンのあれこれ

「銀座NAGANO」で買えば食べ比べも! 広い長野県から銀座に集まる「牛乳パン」

野崎 さおり
野崎 さおり

東京・銀座周辺には各地のアンテナショップがあり、ご当地パンも購入することができます。2024年10月にリニューアルした長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」では、県内各地のパン屋さんから届いたご当地パン「牛乳パン」が複数種類販売されています。 味だけでなくパッケージも懐かしい牛乳パンについて「銀座NAGANO」の吉野麻里子さんにお話を聞きました。

昭和30年代から長野県全域で愛されるご当地パン

銀座NAGANO 牛乳パン

「銀座NAGANO」は銀座すずらん通りに面しています。

銀座NAGANO 牛乳パン

「銀座NAGANO」に2025年4月の土曜日に並ぶ牛乳パン(店舗提供)

東京・銀座にある長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」は、銀座すずらん通りに面した場所に2014年にオープンし、2024年10月にはリニューアル。1階は野菜や果物、味噌やお菓子などの加工品に長野県の新聞、さらに2階にはワイン・日本酒のテイスティング(試飲)が楽しめるスペース、5階では移住や就職の相談ができたり、観光案内できるという長野の魅力を深く伝える施設です。

「銀座NAGANO」では長野の各地域で作られる牛乳パンが購入できます。牛乳パンは、昭和30年代に長野県南部の伊那市にあったパン屋さんが、パンに製菓用のバタークリームを挟んで販売したのが始まりという説が有力。当時は牛乳が高価だったこともあって人気となり、パン屋さん向けに講習会まで開催されて、広い長野県全域で作られるようになりました。

銀座NAGANO 牛乳パン

2025年4月の金曜日、牛乳パンは3つのパン屋さんから届いていました。

牛乳パンは、長野県出身の人にとっては、どこのパン屋さんにも売っている親しみのあるパンです。「おやつとして食べることが多かったです。安くて大きくて、ひとつ食べたらそれだけで夕飯までお腹はすきません」と長野県出身の吉野さん。部活帰りに買って食べる人も多かったとか。

「銀座NAGANO」で牛乳パンが取り扱われるようになったのは、オープンからしばらくあとのことでした。長野出身のスタッフが、当時のチーフマネージャーに地元で愛される牛乳パンについて話したことがきっかけとなり、ぜひ取り扱おうということに。長野市内にある本部の担当者が、長野県内で牛乳パンを作るパン屋さんを1件1件訪ね歩いて、東京の銀座で牛乳パンを販売したいと依頼。趣旨に賛同したパン屋さんが増えて、現在のようにいろいろな牛乳パンが「銀座NAGANO」に並ぶようになりました。

2025年4月現在は、11社のパン屋さんから牛乳パンが日替わりで送られてきます。「銀座NAGANO」でも人気商品の筆頭に挙げられ、特に週末は昼過ぎには売り切れてしまうそうです。

牛乳パン4種類食べ比べました!

取材に訪れたのは、4月の金曜日。長野市にある「小林製菓舗」の「牛乳パン」と「コーヒー牛乳パン」、安曇野市にある「トラットリア フォルツア(ぱんのわ)」の「牛乳パン」、同じく安曇野市「歓びのプレリュード」の「牛乳パン」の3つのパン屋さん、4種類の牛乳パンが入荷していました。すべて買って食べ比べてみました。

銀座NAGANO 牛乳パン

レトロなパッケージがかわいい「小林製菓舗」の「牛乳パン」(360円)。

「小林製菓舗」の牛乳パンはレトロな絵柄のパッケージに入っています。この白いパッケージに青いインクで牛や子どものイラストが描かれているスタイルは、いくつかのパン屋さんで共通なのだとか。

現在「銀座NAGANO」で牛乳パンを担当する吉野さんによると「木曽町の『かねまるパン』で、店主のお母さんが描いたイラストがパッケージに使われたことが始まりだと聞いています」とのこと。この懐かしい雰囲気のイラストを使って、オリジナルグッズも販売するお店もあるそうです。

銀座NAGANO 牛乳パン

ふかっとした食感も懐かしい!

「小林製菓舗」の牛乳パンは、大きな四角形のパンにクリームが挟んであります。パンはふかっとしていてクリームはさっぱり。パッケージの雰囲気と同様に味わいもどこか懐かしい雰囲気です。

銀座NAGANO 牛乳パン

「小林製菓舗」の「コーヒー牛乳パン」(360円)。袋を開けるといい香り!

「小林製菓舗」にはコーヒーの風味のモカクリームを挟んだ牛乳パンもありました。こちらは香りのいい洋酒が効いたモカクリームで大人向きです。

銀座NAGANO 牛乳パン

「トラットリア フォルツア(ぱんのわ)」の「牛乳パン」(220円)。

「トラットリア フォルツア(ぱんのわ)」は、長野県を中心に移動販売する「トラットリア フォルツア」とカフェを併設した「ぱんのわ」を営業するパン屋さんです。

銀座NAGANO 牛乳パン

「大きいけれど食べきれる」とスタッフさんたちに好評だとか。

「トラットリア フォルツア(ぱんのわ)」の牛乳パンは、ふわふわしていて口溶けのいいパン生地に、なめらかでコクを感じるクリームが挟んであります。「軽いパンなので、大きくてもひとつを食べきれます。値段も手頃です」と吉野さん。

銀座NAGANO 牛乳パン

「歓びのプレリュード」の「牛乳パン」(399円)。

「歓びのプレリュード」は「母体が穂高新聞販売という新聞販売店なんですよ」と吉野さん。

銀座NAGANO 牛乳パン

今回買った牛乳パンの中で、唯一照り玉(焼き上がりに光沢を出すため卵)されていました。

2021年にオープンした「歓びのプレリュード」の牛乳パンは全卵入り。じわっと伸び感のある生地に、濃厚なクリームがたっぷり入っているリッチなパンです。

シンプルだからこそ各店の個性が光る

牛乳パンは、パンにミルククリームを挟んでいるというシンプルなパンですが、やはりお店がそれぞれに個性を出しています。今回入手できたもの以外で、特徴ある牛乳パンについて吉野さんに聞いてみたところ「すずらん牛乳」など乳製品を製造する「すずらんハウス」の牛乳パンは、牛乳だけで練ったソフトフランスパンを使ってるとのこと。「いちごの牛乳パンとコーヒーの牛乳パンもあって、コーヒーの牛乳パンがスタッフの間で人気です」と気になる情報も。

諏訪市の「太養パン」は、三角サンドイッチのような形、長野市の「SANCHI」は半円形をしているなど、各店形でも特徴を出しています。

 

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いつどのお店の牛乳パンが販売されているかは、「銀座NAGANO」のホームページやSNSを見ればわかります。月末に翌月の牛乳パンカレンダーが作成され掲載されます。お目当ての牛乳パンが販売されるのがいつかぜひチェックを。夏になると、暑さで中のクリームが溶けやすいため取り扱う店舗数が少なくなるそうです。

「銀座NAGANO」には、長野県で作られるハード系のパンやジャムなどパン好きさんには見逃せない商品も並んでいます。銀座にお出かけしたら、「銀座NAGANO」にぜひ立ち寄ってみてくださいね。きっと長野を訪ねて、牛乳パン巡りもしたくなってしまいますよ!

■ 銀座NAGANO

住所
東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCOビル 1・2・5F
電話番号
03-6274-6015(代表)
営業時間
10:30〜19:00(1・2F)10:00~18:00(5F)
定休日
公式サイト
https://www.ginza-nagano.jp
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/ginza_nagano

WRITER

野崎 さおり

野崎 さおり

ライター。2017年パンシェルジュ検定2級合格。カンパーニュなどのハード系とクロワッサンが好き。旅の目的にはパン屋さん巡りとローカルフードの実食を必ず入れ、旅が「パンの仕入れ」になっていると揶揄されることもしばしば。早起きが苦手なのがパン好きとしての最大の弱点。

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