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横浜市青葉区「丘の上のパン屋」は、緑豊かな環境で丁寧に作られたパンを提供し、環境にも配慮
パンのあれこれ

横浜市青葉区「丘の上のパン屋」は、緑豊かな環境で丁寧に作られたパンを提供し、環境にも配慮

野崎 さおり
野崎 さおり

横浜市青葉区にある「丘の上のパン屋」は、店名の通り、丘の上にあります。緑豊かな環境にあるお店は、店内に並ぶパンも美しいものばかり。最寄駅である田園都市線たまプラーザ駅からバスを利用するなら15分ほどの住宅街の中にあって、週末ともなると長い行列ができる人気店です。

緑豊かな住宅街で美しいパンを売る店

Yokohama Bakery

絵本に出てくるパン屋さんのようです。

最寄りのバス停から閑静な住宅街に伸びる坂道を4分ほど歩いたところに「丘の上のパン屋」はあります。オーナーシェフの黒沼敦詞(くろぬまあつし)さんが、出身地であるこの場所にお店を開いたのは2018年4月のこと。

「都心から近いのに、こんなに自然豊かな場所があることがいいなと思っていました。その環境を活かしたくて、ここでお店を開くことにしました」と黒沼さんは話します。

周辺には竹林があり、野鳥の声も響き渡る素敵な環境です。芝生の緑に囲まれた美しいアプローチの先に、デザインも美しいお店があります。店内も木を多用したインテリアで、商品棚に美しく成形されたパンが整然と並ぶ姿も圧巻です。

Yokohama Bakery

パンが整然と並ぶ姿にも目を奪われます。

シェフの丁寧な仕事ぶりが想像できるようなパンの数々

egg tart

人気No.1の「エッグタルト」(300円)。

1日に60種類ほど作っているという商品のうち、いちばん人気なのが「エッグタルト」です。サックサクのパイ生地に滑らかな卵の生地が入っています。フィリングの固さは、トロッと流れ出すのではないかと思うほど。甘みはあっさりしていて、そのぶん、卵黄の味が濃く感じられます。お土産としてたくさん買っていく人も多いのだとか。

Croissant

層のふくらみ加減も美しい「発酵バターのクロワッサン」(300円)。

発酵バターを使ったクロワッサンも人気商品のひとつ。香ばしくサクッとしていて層の密度も高い生地は上品で軽やかで、クラスト部分に感じる軽い苦みもバランスが絶妙です。

Danish

種類豊富な季節のフルーツを使った「デニッシュ」(各540円)。

商品棚の美しさを際立たせているのはデニッシュの数々。鮮やかなオレンジ色に惹かれる「バレンシアオレンジのデニッシュ」は、みずみずしいバレンシアオレンジとカスタード主体のクリームの相性が抜群です。季節を問わず食べたくなります。

buget sandwich

バゲットサンドのひとつ「生ハムモッツァレラ」(580円)。

サンドイッチ類は朝10時ごろから登場します。バゲットサンドのひとつ「生ハムモッツァレラ」は、熟成を感じる生ハムと、カマンベールチーズがたっぷり入った満足感のあるサンドイッチです。歯切れがよく食べやすいバゲットで作られています。

campagne

「カンパーニュ」(1本840円/ハーフサイズ420円)。

「カンパーニュ」は専用の発酵種を使っています。持った瞬間ずっしりと重さを感じ、クラストはじんわりした厚みを感じクラムは柔らかくしっとり。酸味が少なめなので、食べやすく仕上がっています。スライスしてトーストすると表面がカリッとして、クラム内部とのコントラストがはっきりするのも魅力のひとつ。大きなパンを好みの厚みに切って食べる楽しみを存分に楽しめるパンです。

黒沼さんは、「ビゴ東京」からパン職人としてのキャリアをスタートしました。先輩たちの背中を見てパンづくりを体得し、その後、池袋の人気店「Racines ブランジェリー&ビストロ」でシェフブランジェとしてさらに腕を磨き、40歳の時にお店を開きました。現在お店には、サンドイッチの加工など、製造補助を行うスタッフはいるものの、60種類近いパンをほぼひとりで手がけています。

「材料にいいもの使うことも、丁寧に作るのも当たり前。当たり前のことを当たり前にやっているだけです」と基本に忠実であることを大切にしながら、試行錯誤を続けてよりおいしいパンを目指しています。

あの「もったいない」と感じる気持ちを行動に移しやすく

bread bag

「丘パンオリジナル刺繍入りBread bag」(店頭 2980円 通販3690円 ・送料込み)。カゴと組み合わせて使うとより便利!

「丘の上のパン屋」では、「パン屋さんにはタッパーを持っていこう」と呼びかけています。2022年から容器を持参した人には、お得なエコ割も実施しています。呼びかけの成果もあって、現在1割近くがビニール袋や紙袋に入れるのではなく、持参した容器にパンを入れて持ち帰っています。

「自宅にある容器は通気性がないので、焼きたてのパンを持ち帰るのが難しい」という声に応えて、開発されたのがBread bagです。「丘の上のパン屋」のマダムが、ゴミを減らしたい、環境問題にもっと関心を持ってもらいたいと、同じ思いを持つ女性たちと2年をかけて開発されました。

バッグはあずま袋と呼ばれる風呂敷とバッグの中間のような形をしていて、「丘の上のパン屋」の食パンなら2斤分入ります。

「丘パンオリジナル刺繍入りBread bag」として2024年6月から販売。この「bread bag」は他のパン屋さんでも取り扱いが始まっています。

パン屋さんで買い物をするときエコバッグは持っていても、ひとつひとつのパンを袋や容器に入れてもらうことに、心苦しさを感じていたパン好きさんも多いのではないでしょうか?

パン屋さんに容器を持っていって、これに入れて持って帰りますということは、今のところまだ一般的ではありませんが、「丘の上のパン屋」のような存在がより気持ちよくパンを買えるきっかけになってくれるのかもしれません。

テラス

コーヒーなど飲み物も販売しています。

「丘の上のパン屋」では、素敵な外観を見ただけでパンへの期待が膨らみ、パンを食べてみると予想を裏切らない味に大満足。ぜひ持ち帰るための容器と一緒に足を運んでみてはいかがでしょうか?

■ 丘の上のパン屋

住所
神奈川県横浜市青葉区美しが丘西3-8-8
電話番号
045-530-9683
営業時間
9:00~17:00
定休日
月・火
公式サイト
https://okanouenopanya.com

WRITER

野崎 さおり

野崎 さおり

ライター。2017年パンシェルジュ検定2級合格。カンパーニュなどのハード系とクロワッサンが好き。旅の目的にはパン屋さん巡りとローカルフードの実食を必ず入れ、旅が「パンの仕入れ」になっていると揶揄されることもしばしば。早起きが苦手なのがパン好きとしての最大の弱点。

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