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ツレヅレハナコさんの愛するたまごとパン!「ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理」インタビュー
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ツレヅレハナコさんの愛するたまごとパン!「ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理」インタビュー

梶原 綾乃
梶原 綾乃

食と酒と旅を愛する文筆家・ツレヅレハナコさんが、たまご料理を100レシピ掲載した新刊「ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理」(サンマーク出版)を出版されました。大量のたまごを常にストックしているというほど、たまご好きのハナコさん。本について、たまごについて、そしてたまごと相性のよいパンについても語っていただきました。

「ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理」(サンマーク出版)

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あるときは主役、またあるときは名脇役!煮ても、焼いても、揚げても、たまらんうまーい!毎日2個以上、これまで2万5000個分のたまご料理をつくってきたツレヅレハナコの変幻自在!魅惑の100レシピ。
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たまご偏愛!なツレヅレハナコさんが、たまご本を出すまで

──ツレヅレハナコさんは、無類のたまご好きと伺いました。

ハナコさん:子どもの頃からたまごがずっと好きで、ごはんはもちろんおやつ代わりにもよく食べていました。今でも、ひとり暮らしなのにたまごが冷蔵庫に20個は必ずあるし、最低20個ないと不安になります。常にゆでたまごが10個ぐらい冷蔵庫に入っている生活をしています。

そのくらいたまごが好きであることを周囲に話していたら、「たまごへの偏愛ぶりをインタビューさせてくれませんか」と、「ほぼ日の塾」(※)にお誘いいただきました。お声かけくださった方が、本作(「ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理」)の編集を担当しています。

当時、たまごについて4〜5時間も話したんです(笑)。今読み返しても、「たまご中毒かもしれない」とか、「(1日1個しか食べられないなら)朝食べちゃったら、昼夜どうするの」とか、我ながらちょっとおかしいたまご話をしていて(笑)。そんな取材から生まれた「偏愛の人。」というサイトは今でも公開されています。

(※)ほぼ日の塾……糸井重里主宰のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」のコンテンツ制作の裏側を知ることができる塾のこと(現在は募集終了)。

──(笑)。たまごへの愛が伝わってきます。

それから月日が流れて、私も本を色々出すようになっていた頃、担当編集者さんから「たまごの本を出しませんか」って話が来たんです。

たまごの本については、すでに何回かお話をいただいてたんですけど、基本的にはお断りしていました。たまご料理が上手な料理家さんは数多くいらっしゃるし、レシピだけを延々と載せる本はあんまり作りたくないなと思っていたんです。

なので、今回のお話が来たときもそう答えていましたが、担当編集者さんから「レシピも載せるけれど、ハナコさんがどれだけたまごのことが好きかという、愛を語る本にしましょう」と言われて。本の構想が、もう担当編集者さんの中にあったみたいなんです。

──この本は、たまごの女の子「たまこ」が成長するという漫画仕立てになっていますね。

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ハナコさんのお宅にいらっしゃった、たまこちゃん。

そうなんです。企画時点で「たまこはアイドルグループなんですけど、売れてないんです」とか、「たまこの成長物語であり、売れていくサクセスストーリーにしたいんです」とお話をいただいて、ちょっと意味がわからないなと(笑)。それで詳しく話を聞いてみたら、確かに面白い企画だなと思いました。

担当編集者さん:ハナコさんともしたまごの本を作るのであれば、たまごへの愛を詰め込まないとダメだなと思っていて。でも、いきなり愛を語るって難しい。なので、たまご本人へ直接愛を語る内容ととなりました。

ハナコさん:本作で漫画やイラストを手掛けているのは、カケヒジュンさんという方で、信じられないくらいたくさんのカットを描いていただきました。カケヒさんの世界観が加わることで、今までにないたまご本になったなと思います。

──さっそく冒頭から「(たまごは)つなぎだから」と言われて落ち込んでいるたまこを、ハナコさんが励まし、愛を語っていますよね。

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陰で「(たまごは)つなぎだから」と言われ、落ち込んでいるたまこ。

たまごって主役にもなれるはずなんだけど、脇役としての要素もすごい持ってる食材だと思っていて。私は主役のたまごも好きだし、脇役のたまごも好きだから、ポテンシャルを紹介したいなと思っていたんですよね。

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たまこは縁あって、ツレヅレハナコさん(と愛猫のあんきもちゃん)のもとを訪ねます。

パンと一緒に楽しみたいたまごレシピも多数収録

──100あるたまごレシピのなかには、パンと合わせたものも紹介されていますね。どれがいちばんおすすめですか。

「ハム玉マヨトースト」は、 私が昔バイトしていた店のメニューだったんですよ。喫茶店でいつも食べていて、簡単にできるけれど、ほんとうにおいしい。たまごとパンっていう組み合わせがおいしいなって思いながら、いつも食べてます。でもやっぱり、みんなが好きなのは「ラピュタトースト(目玉焼きのせトースト)」じゃないでしょうか。

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──ラピュタトースト、定番ですよね。わたしは「トロトロスクランブルエッグ」に感動しました。

トロトロなスクランブルエッグを、パンですくって食べるとおいしいんですよね。これは、スクランブルエッグとトーストをいかに同じタイミングで仕上げるかっていうのが大事で。だから、トースターの様子を見計らいつつ、たまごを焼く。もちろんお皿も用意しておく。そして、すぐ座って食べられる状態にして、コーヒーを飲むなら、コーヒーも残しておく。タイミングを合わせられれば、最高なんです。

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──レシピには、たまごを混ぜる道具や混ぜ方、火の通し方なども書かれていて、とても親切ですね。

そう、手順ひとつにしても、 仕上がりはまったく変わるんですよ。一般的なレシピ本を見ていると、「たまごをほぐします」と書いてあってもどのぐらいほぐすのか、自分で判断しないといけないことがほとんどなので。

たまごって実はすごく難しい食材で、火の入れ方とか、加熱時間とかによっていろんな姿に変化する食材なんですね。ゆでたまごひとつにしても、どのぐらいの温度で何分ゆでるか、 冷蔵庫から出したてのものか、常温に戻したものかどうかでも全然違うんです。

だから、なんとなくで作っていると、思っているのと全然違う状態で出来上がるんですよね。手順から、たまごをいかにおいしくするかの勝負が始まっているんです。だからみんなに、本気を出してほしいんです。

──たまごへの本気を……!

自分のイメージする通りのたまごにするためには、イメージを自分の中で作って、どうやったらその状態になるのかを考えてから作らないと、ただの固まったたまごみたいになってしまうんです。もちろん、たまごは生でも食べられるから、食べられるものにはなるんだけど。

たまごが素晴らしいのは、おいしさのポテンシャルが元々高いことなんですよ。私は「たまごに貴賎なし」とよく言っているんですけど、スーパーとか、コンビニで売ってるたまごで充分おいしい。10個、198円だとしても、ちゃんとおいしい食材ってすごいことだなと思いますよね。

例えば地方の産地直売所に行って、6個で800円の平飼いたまごを食べて、「確かにちょっと違うかな」とは思います。でもおいしさのポテンシャルが高いから、「まったく違う!」みたいな気持ちになることはあんまりない気がします。私はふだん、近所のスーパーで売っているたまごを食べています。

昔は、1日2個以上たまごを食べてはダメと言われていたけど、2個以上食べても医学的に問題はないと証明されています。コレステロールが上がるっていうのも、人間にとっては関係ないことが証明されたという記事を食い入るように読んだんです。お医者さんがそう言ってるから、こそこそ食べなくてもいいんです。それで……

──たまごのマシンガントークが止まりません(笑)。

よく「そんな毎日食べてて飽きないですか」って聞かれるんですけど、食べるたびに「すっごいおいしいな」って思うし、ときめいているし、全然飽きないんです。たとえばチョコとかケーキとか、ご自身の好きなものを、健康的にオッケーな状態で毎日食べていいってなったら、みなさんも食べるたびにときめくと思うんですよ……!!

おいしいもの好きのハナコさんが愛するパン

──食べるたびにときめく気持ち、とてもわかります。ところで、お好きなパンについても教えていただけませんか?

パンもたまごと同じで、スーパーやコンビニで手に入るものが充分おいしいんですよね。私は超熟派で、イングリッシュマフィンが好きです。「超熟イングリッシュマフィン」のお仕事が来ないかな〜と、ずっと思っています(笑)。

あと、富ヶ谷にある「ルヴァン」のイングリッシュマフィンも好き。表面に白ごまがついているものと、黒ごまがついているものがあって、表面はカリカリ、中はもっちりしていてとてもおいしいです。それと、「江古田ベーカリー」のパンも好きでよく食べます。パン好きさんは、すごいですよね。細かいパン日記をつけていたり、エクセルでまとめたりされていて。キラキラしているなと思います。

たまごサンドだと、京都の喫茶店「アマゾン」の「和風トースト」が好きなんです。ここは「たまごサンド」が有名なお店なのですが、わたしは「和風トースト」派。注文すると、 その場で焼いてくれて、鰹節やお醤油が混ざったアツアツのだし巻きと、きゅうりの薄切りが挟まっているんです。関東にはない、関西ならではの味だと思います。たまごは、パンとかなり相性がいいですよね。

 

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──たまごとパン、最高の組み合わせですよね。作中の、たまこの人生の転換点にもパンは登場しているんですよね。

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(113ページを開いて)本当ですね。しかもすごくいいポジションにいる(笑)。きっとパンはたまこの親友か、たまこのことが好きだったんじゃないかと思いますね。みなさんもぜひ読んでみてください。

ハナコさんからぱんてな読者へのプレゼント!

ハナコさんがインタビュー上でもお話されていた「トロトロスクランブルエッグ」のレシピを、特別に教えていただきました!

みなさんも、たまごとパンの焼き上がりに気をつけながら、ベストな状態を味わってみてください!

『たまご料理』レシピ

ツレヅレハナコさん

食と酒と旅を愛する文筆家。東京都中野区生まれ。お酒とつまみと台所道具がある場所なら、日本各地から世界各国まで旅をし続ける。著書に『女ひとりの夜つまみ』『まいにち酒ごはん日記』(幻冬舎)、最新刊は『ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理』(サンマーク出版)。食や日常を綴るSNSも人気。

Instagram:https://www.instagram.com/turehana1/

WRITER

梶原 綾乃

梶原 綾乃

編集者/ライター。
お菓子やパンを作ったり、食べたりすることが好き。
ご当地パンの包装紙を収集中。「サラダパン」が大好き。

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