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唯一無二の「あん食パン」東京・王子『明壽庵』「パンのフェス 2022春 in 横浜赤レンガ」初出店パン屋さんリポート
パンやの夜明け

唯一無二の「あん食パン」東京・王子『明壽庵』「パンのフェス 2022春 in 横浜赤レンガ」初出店パン屋さんリポート

辻 美穂
辻 美穂

2016年に初開催して以来、延べ100万人以上が来場している日本最大級のパンイベント「パンのフェス2022春 in 横浜赤レンガ」が、2022年3月11日(金)~13日(日)まで開催されます。それに先がけて、「ぱんてな」では初出店のパン屋さんを紹介します。

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今回は、北区は王子にある「明壽庵」専務取締役で「明治堂」5代目の中山公人(きんと)さんに、「パンのフェス」への意気込みや、フェスでのおすすめ商品などを伺いました。

「明壽庵」について教えてください。

明壽庵は、王子の老舗「明治堂」「石鍋商店」「王子製餡所」の3社が、伝統技術を結集して開発した、「あん食パン」をメインとしています。コロナ禍によって活気を失った商店街を盛り上げようとの思いから、2021年5月24日にオープンしました。

私たちの地元・王子でしか味わえないパンを、横浜やフェスへお越しになる方々にも、ぜひお召し上がりいただきたいと思い、出店を決めました。

パンのフェス

「あん食パン」(粒・こし各ミニ250円~※画像は1本)は、 王子だからこそ作れるものをと誕生したパン。

商品の特徴や、素材について教えてください。

この地で100年以上パンを焼き続けている「明治堂」の技術と、「石鍋商店」による発酵種、「王子製餡所」の餡と、王子でしか作れないものばかりです。

とくに特徴的なのは発酵種。久寿餅(くずもち)の小麦デンプンを2年間発酵させたものを使用していますが、これは世界で唯一だと思います。

もともと「明治堂」では、「湯種」や「ルヴァン種」でパンを作っていたのですが、ある時、これらの構造が発酵小麦デンプンと非常に近いことを感じました。そこで、「石鍋商店」から発酵小麦デンプンを少量もらって発酵種にしてみたら、おいしいパンが作れたんです。

生地は改良を重ねた結果、水を使わず、北海道産の牛乳と、バターのみで仕込んでいます。そこに、「王子製餡所」がていねいに炊き上げた餡を巻いています。

パンのフェス

明治22年創業の「明治堂」は食パン製法(左)、明治20年創業の「石鍋商店」(中央)の小麦デンプンを。さらに、大正14年創業の「王子製餡所」(右)の餡と、“自分たちで地元を盛り上げたい”と結集した3社の伝統技術によって、唯一無二の「あん食パン」に。途中、大学やパン技術研究所の先生に協力を得ながら、試作を何十回も繰り返したそう。

「パンのフェス」で販売する商品で“これは食べてほしい”というおすすめを教えてください。

まずは、当店のメイン商品である「あん食パン」です。生地は、久寿餅ならではのもちもちとした食感と甘い香りが楽しめます。「王子製餡所」のふくよかで甘みある餡とのハーモニーをお楽しみください。

パンのフェス

耳のそばまでくるりと巻かれたあんが美しい「あん食パン」(ミニ250円~)は、会場でも粒とあんの2種類を用意。バタートーストで食べるのがおすすめでだそう。

そして、今回の「パンのフェス」限定で復活する「王子の狐あん食パン」もおすすめです。「あん食パン」の餡に、甘辛く煮た揚げと柚子を巻き込んで、上に白ごまをトッピングしました。意外な組み合わせだと思いますが、とてもバランスがとれた味わいですよ。

パンフェス

揚げをたっぷり巻き込んだ「王子の狐あん食パン」(ハーフ800円)は、歌川広重が「江戸名所百景」に描いた「王子の狐行列」をモチーフにしたロゴの焼印が。通常はお祭りに合わせて12月のみの販売ですが、“通年で売ってほしい”との声も多い人気商品。

さらに、冬季限定の人気商品「くりあずき」(ハーフ950円)や、新発売のミニ食パン5種類を販売します。この機会にお買い求めいただければと思いますが、数に限りがありますので、できるだけ早めにお越しください。

パンのフェス

「ミニ食パン」は、前列左から「くりあずき」(350円)、ホワイトデーまでの限定商品「ショコラ明壽」(400円)、後列左から「あん食パン・粒」(250円)、「抹茶明壽庵」(300円)、「あん食パン・こし」(250円)の5種類。どれを買おうか迷ってしまいそうですね♪

中山さんのパンづくりへの思いやこだわりを伺えますか?

これは「あん食パン」に限ったことではありませんが、保存料、着色料、香料、ショートニングなど使用していません。これは、より安心安全なパンを提供したいとの思いからです。

店舗を構える東十条商店街は、小さいお子さんから年配の方まで幅広い層がいらっしゃるので、これからも、どなたでも安心して召し上がっていただけるものを作っていきたいと思います。

パンのフェス

「あん食パン」と同じ食パン生地で作る数種の「フルーツあんサンド」も人気。パンとクリームの組み合わせはフルーツによって2種類あり。

店舗では、「あん食パン」の粒・こしのほか、数種類の食パンや「フルーツあんサンド」などを販売しています。今年2月からは、お客様のご要望にお応えして、食パンのミニサイズも登場しています。3月14日までは期間限定で、「ショコラ明壽」などチョコレートを使った商品も販売しますので、機会があれば王子の店にも足を運んでいただければと思います。

王子はとてもよいところなので、当店をきっかけに、周辺の商店街や町並みなどもぜひ楽しんでいってくださいね。

パンのフェス

店舗は、地元のお祭り「王子狐の行列」をイメージしてつくったそう。店舗の側面にあるベンチでは、「フルーツあんサンド」やソフトクリームを食べながら、ひと休みできます。夏は冷茶、冬は温かいお茶の嬉しいサービスも。

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王子の伝統技術が結集した「あん食パン」は、種類も豊富で、ギフトとしても喜ばれそうなものばかりですね。

まだまだ初出店のお店紹介は続きます!おでかけ前にチェックして、「パンのフェス2022春 in 横浜赤レンガ」をより楽しんでください。

明壽庵(めいじゅあん)

パンのフェス

前列右が中山さん。異業種を経験後、明治堂で修業に入る前に、パン技術研究所で学んだ経験も、新たな発酵種を活用することに役立ったそう。

■店舗情報

所在地
東京都北区神谷1-25-6 関根ビル1階
電話
03-6908-4501
営業時間
10:00~19:00
定休日
水曜・木曜
明壽庵オンラインショップ
https://meijuan.theshop.jp/

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WRITER

辻 美穂

辻 美穂

とにかく食べること、飲むことが好きで、異業種から食の業界へ転職をとフードコーディネーターの学校へ。複数の調理現場でバイトしたあと、菓子とパンの会社で商品企画の仕事に就く。自社パンのおいしい食べ方をあれこれ試しているうちにパンの魅力にハマり、その後ライター活動を始めてからも、そして活動拠点を福岡に移した2013年以降も、仕事のついでに気になるパン屋へ立ち寄り、新たなパンとの出合いを求め続けている。最近気になるのは、自分の体重と屋根で勝手に居候するスズメたちのこと。

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